人生のセカンド・ステージ
RSSCの仲間に再会すると地域格差を痛感する。「地方」といっても実態は色々。小稿は東京圏に住む方々への問題提起である。みなさんは年金受給者ですか?昭和30年3月生まれの私の情報を開示すると、住民税は令和3年が非課税、同4年5,700円、5年82,700円だった。年金は6月・7月分で国民年金は介護保険料と住民税が引かれ約12万円で、厚生年金は約28万円である。

「老後2,000万円問題」で新NISA口座は活用している。そんな中、おもしろい本に出合った。『このプリン、今食べるか?ガマンするか?』(柿内尚文著)と『Die with Zero』(ビル・パーキンス著)である。この二冊のメッセージは、シニア世代はやりたいことを後回しにしない方がいい。死ぬ時には資産ゼロ円が理想である。

不動産は本当に「資産」なのか 
私は男3人の長男に生まれた。最も近いコンビニまで5.4㌔の中山間地に住む。50代で未婚や独身が多い「限界集落」である。私の懸念事項の一つは我が家の別宅だ。空き家となって43年経過する。解体には300万円は要る。宅地と家屋の固定資産税に毎年約1.8万円かかる。去年は屋根の補修で約100万円出費した。

生活に不要となった山林、田・畑も頭痛の種である。固定資産税約2万円。草刈りをシルバーセンターに頼むと12万円を超える。田舎の不動産は、負債とみる。

空き家の片づけ
母が逝って3年が経ち、やっと別宅の片づけを始めた。私が18歳まで住んだ生家で、現在の自宅から約200㍍南、杉林の陰に一部が見える。

曽祖父、祖父母、そして両親の5人の持ち物が手をつけることなく残っている。県外にいる弟はそれぞれ所帯を持ち、「古い家? 売れるなら処分した方がいい」と内心思っている。売却を意識し、ハウスクリーニングのプロ2名を頼んだ。1回5時間で料金3万円。通算5回で母屋の座敷5部屋、囲炉裏のあった大部屋、台所、お風呂を片づけた。タンス類の中身はとりあえず半透明の袋に放り込んでもらった。

ドッグラン・カフェ
問題の空き家は明治元年建造の農家住宅で、その戸主として私は6代目に当たる。 ここで話は時間が2年ほど遡る。ある日、品川ナンバーの車が我が家にやって来た。運転手は43年前に高校生だったK君、助手席は彼のお母さんだ。K君はまもなく定年を迎える。品川のマンションが買値で売れたので空き家を捜しているという。K君の母上は父の同僚で、私が東京の会社を辞め郷里の高校の英語教師に転身した頃に家庭教師を頼まれた。

今年の冬、再びK君が私を訪ね「色々空き家をみてまわったのですが津吹先生のものが一番いい。妻とドッグラン・カフェをやりたい。貸してもらえないですか?」という。その改築費は約1,000万円、私が半額を負担し、高い家賃でいいので貸して欲しいとの提案だ。空き家は何かと悩ましい。
(7期生 津吹文男)

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