箕口雅博
私は2015年度より、「アドラー心理学を学ぶ/実践に活かす」というタイトルの講義を通してRSSCの皆さんの仲間入りをさせていただきました。
アドラー心理学は、オーストリア出身の精神科医・心理学者であるアルフレッド・アドラー(1870-1937)が創始した人間理解と援助のための心理学です。心理学の世界では、フロイト・ユングと並び称される巨匠のひとりです。アドラー心理学は、①個人の主体性を重んじていること、②原因にこだわらず未来について考えていく解決志向であること、③人と人との対等(ヨコ)なつながりと協力関係(共同体感覚)を大切にしていること、などの特徴から多様な対人支援場面だけでなく、日常の人間関係、育児や教育、そして自己啓発の場面にも活かせる実践的な心理学だと考えています。
講義では、「アドラー心理学を活かした実践を身につける」ことを目的に、多彩なグループワークを通して、それぞれの課題に対等な協力関係のもとに取り組んでいただきました。グループワークの発表を聞き、課題レポート、リアクション・ペーパーを読むにつけ、RSSCの皆さんのファーストステージで培われた深い経験と高い能力をまざまざと見る思いがしています。
そして、「アドラー心理学の学びをさらに深めたい」という11期・12期の皆さんを中心に、2019年3月から定期的に自主勉強会(アドラー会)を開催してきました。2021年7月で勉強会も10回目となったことを機に、RSSCの同好会・研究会に申請・承認されました。その際、今までの名称「アドラー会」を現在の「RSSCあどらーカフェ」(略称:あどカフェ)と改名しました。「カフェ」は、アドラーがウィーンで過ごしていた頃、仲間たちと毎晩のように意見を交わした場所です。「あどカフェ」も、アドラー心理学を学ぶ仲間たちの交流の場でありたいと思っています。
これからも、立教学院創立140周年のミッションフレーズ「未来は、歴史より、ずっと長い」を合い言葉に、RSSCの皆さんと歩んでいこうと思います。