さいたま新都心は、昭和59年(1984年)に貨物列車の中継基地である「国鉄大宮操車場」の跡地や片倉工業跡地等を利用して、埼玉県の核となるように平成12年(2000年)街びらきをした新しいまちである。まちは「バリアフリーの街」「地球に優しい街」「景観の美しい街」「災害に強い・安全な街」「情報が行き交う街」の5つの特色を持っている。今日は「景観に美しい街」を確認しながら、歩いてみることにする。

JRさいたま新都心駅の改札を出て西側に向かうと、最初に目に飛び込んでくるのが220本の欅である。欅は、埼玉県そしてさいたま市の木として親しまれている。ビルの谷間にあるけやき広場は1年を通して安らげる憩いの場所であり、今の季節は新緑から深緑に移り変わる時で、この時期の欅は特に強さを感じることができる。けやき広場から右手を見ると、新都心の象徴である「さいたまスーパーアリーナ」がそびえている。高さは約15階建てビルに相当するので、大きさにも高さにも圧倒される。大きさを実感するために外周を歩いてみた。天気が良ければ、スカイツリー・筑波山・秩父連山・富士山を眺めることができるので、気持ちが塞いでいるときには、歩くだけで心が軽くなる場所でもある。

<ほしにすむ>

けやき広場に戻り東京方面に歩いて行くと、「さいたま赤十字病院」「県立小児医療センター」が見えてくる。病院を背にして線路側を見ると首都機能の一躍を担う合同庁舎1、2号館と検査棟が見える。2号館はヘリポートもあり、国の広域防災拠点として整備されている。建物だけを見ていると、機能的だが何か暖かさを感じないこともあるが、この合同庁舎周辺には訪れたときに見てもらいたいものがある。それはアート作品と花木である。特に関東圏内の8つの地域に住む小学生による「生き生きとしているもの・生きているようなもの」を表現している10種類の作品である。見ているだけで、命への力強さを感じることができ、小学生の作品から元気をもらうことができる。特に「ほしにすむ」と名付けられた作品は、内側には製作に携わった284名の名前が刻まれている。勿論美術作家による作品も多く設置されているので、作品を探しながら散策するのも楽しい場所である。

アート作品を探しながら歩いていると、せせらぎの丘と呼ばれる、植栽とアート作品が一体化した場所に着く。今日はまるでホップの実をつけているような「クマシデ」「イヌシデ」を見つけることができた。春に綺麗に花を咲かせていた「ハナズオウ」は豆科の植物らしく、まるで枝豆のような実がなっていた。黄色の花が綺麗な「ビヨウヤナギ」「キンシバイ」を見ることもできた。「シモツケソウ」「アオキ」「クスノキ」を見つけることができた。1時間あまりの散策で、多くの花木に出会うことができるのも魅力の一つである。20年以上の月日が花木を成長させ、ゆとりのある空間を生み出し、さいたま新都心の個性を表しているように感じる。都市の中の緑なので、森や林の中を歩いているような感覚ではないが、まだまだ沢山の花木を見ることができる。「埼玉スーパーアリーナ」「けやき広場」だけではなく、アート作品と花と緑を探しにさいたま新都心周辺を歩いてみませんか?(7期生 金子)

※花木については、多田多恵子先生 「小学館図鑑 NEO 花」を参照した。

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