前回(2022.9.30掲載/事務局記)コロナ自粛を続ける生活の中で基礎疾患を持つ自分がどのような気付きを得たかについてお話させて頂きましたが、今回は、その気付きを通して具体的にどのようなエクササイスをはじめ、何を感じ、どのような光明を得たかについて独りごととして話させて頂きます。
この夏は、うだるような暑い日が続き日中はさすがに動くのがきつい日が多かったですが、早朝か、日の沈む時間に自己満足的に、このエクササイスを続けてきました。
自宅から5分ほど丘を下ると、早淵川という小川があります、そこからこの川が合流する一級河川鶴見川を辿るコースを、雨や、雪など以外の日は一定の歩数を歩くことを続けた結果、今では階段や、坂道も苦にせず動けるまでに体力も筋力も戻ってきています。
鶴見川を下り、多摩方面から下ってくる矢上川の合流地点で矢上川に入り(写真左)、日吉方面に向かい、慶応義塾大学日吉校舎の裏山を登り、日吉からは森の緑道を通る行程が、現在のお好みの道となっています。
☝*2021年火曜ドラマ「プロミス・シンデレラ」の舞台の木
川の側では、今の時期には、ハマカンゾウ、松葉ボタン、アカツメ草、キンケイ菊、キボウシなど(写真下①、②)、それまで名前も知らなかった草花を知り、道筋ではエノキ、百日紅、アジサイ、ムクゲなどの木々に安らぎを覚え、川では、さざ波の水面をカワウ、ハクセキレイ、カワラバト、コサギ、カルガモなどの群れる姿に目を楽しませることができるようになりました(写真下③)。
2年歩き続けた甲斐があったのか、自然の偉大さと、風の心地よさを感じることができるようになり、体力的にも自信がもてるようになって来ています。
日吉から自宅へ戻る森の緑道は、西田幾多郎先生が日々通った「哲学の道」に比べることはできませんが、青空の下、ゆったりと歩くことで、私にとっては、考える時間をもてる気持ち良い散歩道になっています。色々読んだ本の記憶を頼り、考えることが出来る至福の時間に成っています(写真右)
例えば、今日は、少し前に読んだ、ハンス・Rが言う、
「ひとつの例がすべてに当てはまる」
という思い込みを持ってはいけないと言う例えを反芻しながら、自分の知識の偏りと、固定観念について反省し、また、同じくこの本に書かれた、
「子供にトンカチを持たせると、なんでも釘に見える」
ということわざからの、専門知識にこだわりすぎると効果のある解決法が見えなくなる、その知識が問題解決に役立つことはあっても、すべての問題が、それらの知識で解決できるわけではない。さまざまな角度から世界を見た方が良いというアドバイスには納得しながら思い込みの危うさにドキッとしたりして歩を進めています。
今、この日々のウォーキング・エクササイスを通して精神的にも、体力的にも充実した日々を過ごしています。コロナ感染が収束したら、また昔の友と時間を共有できればと考えている今日この頃です。
最後に、蛇足ですが、「哲学の道」側にある法然院近くにある西田幾多郎先生の詠まれた詩
「人は人、われは吾れ也、とにかく吾行く道を、吾は行くなり」
を思い出し、またあの道を歩いてみようと描いています。(7期生 矢野泰秀)
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