いつまで続くのか、コロナ禍で自粛、自粛と言われ、あまり外出をしない生活を余儀なくされて久しい。今年(2021年)はほぼ一年中緊急事態宣言下にあり、これでは『通常』事態宣言ではないか。とぼやいていても始まらず、コロナと暑さで家ばかりいても、心と身体の健康に悪い。近場で暑さを凌げるようなところはないかなと思い、ふと都立庭園がよぎった。
六義園というところは、私の家からさほど遠くないので、今までも何度も散歩がてら訪れてはいたし、他の庭園も1、2度は行ったことはあると思っていた。東京都HPに「江戸・東京の庭園に行こう」というキャッチフレーズで九つの庭園が紹介されている。今年前半は休園していたが、6月ころから開園を再開している。
よし、ではこれら九つの庭園を一気に巡ってみようと思いたったのが、今夏の私の企画である。安易で安上りな都立庭園行脚。よく見ると3箇所は未体験。手始めに、一番近い六義園から始めた。名称を挙げてみよう。浜離宮恩賜庭園、旧芝離宮恩賜庭園、小石川後楽園、六義園、向島百花園、清澄庭園、旧岩崎邸庭園、旧古川庭園、殿ヶ谷戸庭園、の九つ。
それぞれ江戸徳川幕府の大名庭園の流れを汲むもの、明治以降の財閥の私邸だったもの、また江戸町人文化の中で作られたものなど由来はいろいろであるが、いずれも国や都が特別名勝、特別史跡、重要文化財、など様々な形で指定している。広さは浜離宮の25万㎡から向島百花園の1万㎡まであり、見学時間や歩行距離には多少差ができる。また入園料は70円から150円程度(シニア料金)とお安い。(70年代のころは無料だった時期もあった)
中央区、港区、文京区、墨田区、北区、江東区、国分寺市と、いずれも都会のまん中にあるのだが、これが何と静寂なことか。一歩足を踏み入れると、街中の喧噪や暑さから解放されて心が洗われる。個々の特徴はさまざまだが、鬱蒼と木々に覆われている所も多い。ベンチで本を読んでいると時の経つのを忘れる。お弁当を持ってきてもたぶん誰にも咎められないだろう。また、コロナで密を避けよと言われているが、私が訪れた限りででは、季節のせいもあろうが、特に平日は人がほとんどいない。まるで自分一人の庭園であるかのよう。私は大名か?
残念ながら、真夏であったので花を楽しむには時季が合わなかったがサクラ、アヤメ、フジなど多くの花が咲き誇る季節にまた訪れてみよう。春夏秋冬いつでも楽しめ、しかも入園料は安いし、交通費もたいしてかからない。
皆さんも、近場の公園・庭園での心身のフレッシュアップをされたらいかがでしょう。ぜひお勧めします。これからは紅葉の季節ですね。
(7期生 佐野英二)
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