新型コロナウィルス緊急事態宣言下、五輪反対の活動が続く中、一か八かで開催された東京オリンピックが閉幕した。メダル58個(金27銀14銅17)と多くの感動ドラマを見せてくれた。

想い起こすと前回(1964年)の東京五輪は小学校6年生、学年別に150名程度が講堂に集められ、会場規模に相応しくない小さなテレビの前に行儀よく並んで観戦した。マラソン銅メダルの円谷幸吉選手がアベベ・ビキラ選手を必死に追う姿が脳裏に残る。甲州街道を走る選手に破れんばかりに日の丸を振る姿も残る。柔道・体操・レスリング・バレーボール等が活躍し、スポーツが勇気と感動を与えると知った。努力する大切さ、諦めない大切さ、そして成績優秀者に表彰台とメダルが与えられ、それを称えるマナーも教わった。

復興五輪と銘打った2度目の五輪が決まったのは2013年9月だった。またやるの?と思ったが、決まったからには応援しようと決めた。観戦チケットの抽選は2019年夏九州の友人達の期待を背負って臨んだが見事に外れた。友人達との観戦を諦め会場の雰囲気だけでも感じたいと臨んだ二次抽選で権利を得ることができた。しかし新型コロナウィルスで一年延期になり、そして開会式の2週間前には無観客が決まり入場できなかった。

参加の国や地域は前回より倍増の205、種目も倍増し史上最多の33競技339種目、新たに空手・スケートボード・サーフィン・スポーツクライミングの4競技も加わり、12歳・13歳の日本のメダリストも誕生した。

しかし一億総評論家と言われる時代だが、腑に落ちない事が多かった。まずは遅い決断は大きな無駄を作ったなぁと思う。1年前に延期でなく中止できていたら、また開催するにしても、無観客を早期に決断していたら、多くの資源(人・物・金・情報)の無駄が省けただろう。この一年間メディアは開催か無観客か等実りない議論に明け暮れた。観客施設やボランティアも無駄になった。高校時代のクラスメイトが子ども食堂を運営していたが、コロナの為に食堂を中止して生活困窮者へのドライブスルー方式の食材配布をしている。食材調達の苦労を考えると、お弁当の大量廃棄は悲しい。
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五輪開催を苦しめた真犯人の新型コロナウィルスに、政府と民間が協力して立ち向かえたか疑問だ。台湾の天才デジタル大臣の唐鳳(とうほう、オードリー・タン)が「民間と政府のコミュニケーションの促進と強化」を掲げ「政府の官僚や大臣が何をやり、何を考えているかを全部知ることができ、人々が「国家の主人」になれる」そういう国造りを目指したいという。この理想的なビジョンに学びたい。情報開示と説明責任、透明性で、信頼関係を作り真の敵に立ち向かいたいものだと思う。

今回の五輪で子供たちは何を学んだのだろう。同年代がメダル獲得しメダルを身近に感じたことは確かだろう。出番は少なかったが、小学生の投票で決まったミライトワ(「未来と」と「永遠」)とソメイティ(桜のソメイヨシノと「so mighty」)に「強くあれ、そして自然に優しい人に育ってほしい」という願いが込められているという。強く優しい未来を子供たちに託したい。

入場できるかどうかわからないが、まもなくパラリンピックがはじまる。アスリートには悔いのない自己ベストのパフォーマンスを願い応援することにしよう。(7期生 榎本)

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