最近コロナ禍で外出が減り、ふと周りを見回して私の地元である豊島区ってどんな処?と思い、ご存じのようにわが立教大学が在る豊島区というところを少々探訪してみたいと思います。

私の住んでいるのは、東京都豊島区巣鴨というところ。このあたり、江戸時代までは武蔵野国豊島郡と言われていたようだ。当時豊島氏という豪族が今の豊島区、北区、練馬区、板橋区など現在の東京の城北地区一帯を治めていた。

豊島氏は室町末期ころ太田道灌に滅ぼされたらしいが、地名だけは今でも随所に残っており、昨年2020年に閉演した豊島園(練馬区)もその一つ。明治時代はこのあたりを北豊島郡と言い、その後東京市が発足しそこの4つの町村が東京市に編入されて、今の豊島区の原型ができたとのこと。その時の区名候補に「池袋区」があったらしい。

ところで皆さん、現在の豊島区をどの程度ご存じでしょうか。
特徴①日本の市区町村の中で、人口密度全国第1位。
特徴②その人口規模は東北地方の県庁所在地とほぼ同じ。
特徴③2014年に日本創生会議から名誉ある?『消滅可能性都市』に挙げられた東京23区中唯一の自治体。
おまけ④山手線の駅が5つある区。

①から④を説明しましょう。

①国内の市区町村の数は現在1800ほど。その中で豊島区は人口密度が約23,000人/㎞と、全国第1位。(2位は中野区、3位は荒川区)。面積は13k㎡。人口は約30万人で全国86位。参考までに、区別の人口は、最多は世田谷区の92万人、最少は千代田区の6万人。

②30万という人口規模は全国的にみるとどの程度か。これは仙台市をのぞく、東北5県の県庁所在地、青森市、秋田市、盛岡市、山形市、福島市と大雑把に言うとほぼ同程度。だが、これら東北5市は面積が豊島区の30倍から70倍もあるので、人口密度は当然30分の1から70分の1になる。

①と②をないまぜにすると、なぜか前述の③になる。2014年に日本創生会議が消滅可能性都市というのを発表して物議を醸したことがあった。若い女性数の減少と流出人口の増加で、全国自治体の約半分896市区町村が2040年までに存続できなくなるという発表だった。(実に大胆と言おうか、いいかげんと言おうか)。その896の消滅可能性都市の中に人口密度全国第1位の東京都豊島区が入っていた。その時、豊島区役所は大騒ぎになったが、最近この話題はあまり聞かなくなった気がする。

おまけの④。東京をあまり知らない人に聞けば、「山手線というのは東京の中をグルグル廻っているらしい。山手線の駅が30ほどで、区は23だから、概ね1区1駅弱あるのかな」と思う人もいるかもしれない。だが山手線の駅がある区は千代田区、渋谷区、新宿区など10区ほど。その中で、23区中かなりマイナーな豊島区に、乗降客数は池袋を除けば30駅の中で下位ではあるものの、5駅もあるのは、別に偉いわけでも何でもないが、なんとなく不思議だ。目白、池袋、大塚、巣鴨、駒込と(東京近辺に住んでいても乗り降りしたことがない人が多いかもしれない)

すでに桜の季節も終わってしまったが、ここはソメイヨシノの発祥の地でもある。巣鴨・駒込近辺を染井というが、江戸時代の植木職人がここ染井で、エドヒガンザクラとオオシマザクラを交配させて作ったのが今のソメイヨシノ。「染井でできた吉野桜」という意味か?当時の新種であるが、現在は日本の桜の7、8割を占めるらしい。
来年もきれいに咲いてくれるであろう立教大学正門の桜に思いをはせながら、豊島区について考察してみました。(7期) 佐野英二

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