2020年も残すところ1ヶ月余りとなったが、今年を振り返ると最大の事件はなんと言っても新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)であろう。現時点でも、本格的な冬を前に感染の急拡大が各地で続き、ワクチンの開発が進んでいるとはいっても、このパンデミックの収束がいつになるか誰にも分からない。

一方、コロナとの共存・共生を前提にした「Withコロナの新しい日常」という言葉をよく耳にする。「新しい日常」といっても人によって違いはあるが、感染拡大の波が繰り返される中でも、「生きるためには、感染拡大を防ぎつつ経済活動を徐々に元に戻す」ことをやむを得ないと考えている人が多いように思える。政府も7月以降、「GoToトラベル」「GoToイート」等の観光産業支援策や経済の回復を意図するキャンペーンを開始し、経済に軸足を移してきた。「経済の回復」と「感染拡大防止」の両立という大変難しい舵取りが今まさに求められる状況である。

自分自身の日常においても、常に感染の不安は感じつつも、長期に及ぶ「Withコロナ」の状態が予想される中、できる限りの感染防止対策を図りながら、様々な活動を以前とは異なる形で再開してきた。

まず、7月中旬からはスポーツジムに週2回ほど、感染防止対策をしっかり守りながら通い始めた。運動不足やストレスの解消というよりも、ライフワークともいえる太極拳のスタジオプログラムに参加するためである。緊急事態宣言が今後また発出されるような事態にならない限り、できれば継続したいと考えている。

ジムでの感染防止対策は、常時マスクの着用が義務づけられ、入口では検温及び手指消毒が行なわれる。ジムスタジオ内でも人数が制限され、ソーシャルディスタンスが確保できるレッスンのみが実施されている。個人的には、シャワーやサウナは利用せず、ロッカールームでも出来るだけ会話を避け、短時間の利用を心がけている。また、ジムへの往復も徒歩を中心にし、交通機関の利用を少なくしている。

8月からはスポーツジムが提供するオンラインレッスンにも参加している。ライブ配信だけでなくアーカイブ映像も繰り返し視聴でき、都合の良い時間にいつでもレッスンが受けられるのが最大のメリットで、大変気に入っている。

また、運動以外では、感染の心配のないオンラインでの活動がコロナ前と比べ格段に広がった。現在所属しているNPO(健康太極拳協会)の定例会議、RSSCのオンライン授業、仲間内での勉強会(アドラー会・ユリイカの会)等が、Zoomを使って行なわれている。Zoomの機能・操作には最初多少戸惑ったが、勉強会仲間の助けもあり、大分操作にも慣れてきた。

9月末から始まったRSSC秋学期では、「哲学」関連講座を科目聴講生として受講している。受講者は数名と少人数で、顔が画面に映し出されると、講義を聴くだけの授業でも、大教室の授業より緊張し意外と疲労感も残る(但し講義内容は濃い)。一方、同じ「哲学」関連でも、2度参加した「ユリイカの会」のオンラインセミナーは、それぞれ「禅」、「アート」を切り口に、「Withコロナの日常/非日常」を考えてみるという、興味深いものであった。「役に立つ・迷惑をかけないとの“功利主義的思考?”に危うさはないのか」、「芸術(アート)は知識・理解力が必要な“高尚なもの”ではなく、本来自分自身の想像力・感性を高め、価値観を広げるものではないのか」等、普段と違った視点から物事を考えるよい機会を得た気がする。今後もオンラインを最大限活用し、「Withコロナの日常」を楽しみたいと考えている。
(7期生北原)

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