私の住む荒川区は、外国人の在住者割合が23区で3番目に多い(8.3%、2017)。そのため在住外国人の生活支援や区民との国際交流に早くから取り組んでいます。区では、ボランティアの協力を得て、日本語教室、日本語サロンや日本語スピーチコンテストなどの交流事業をやっています。RSSCの後、活動場所を地域にも目を向けて探す中で見つけたのが日本語教室・サロンのボランティアでした。ことばへの関心、これまでの外国人との交流経験から興味を持ちました。
荒川区の日本語ボランティアの場は二通りあります。教科書を使いボランティアと学習者(ボランティアに対する外国人受講生)さんが原則マンツーマンで行う形式、日本語講師が付いており、サポートしてくれます。もう一つは、ボランティアと外国人の方々が、日本語でお互いの文化や生活習慣を話合い、お茶を飲みながらのサロン形式です。こちらは、ボランティアに運営が任せられています。それぞれに昼と夜のコースがあり、日本語ボランティアに初めての人のために、日本語教授法の基礎を学ぶボランティア養成講座があります。サロンは日本語教育の資格・経験や外国語能力も必要ありません。私は昼教室と昼サロンにそれぞれ週1回参加しています。
私の参加する昼教室は、ボランティアの3/4が女性,男性1/4、年齢は60代以上が約7割です。学習者さんは約8割が女性、年齢は30~40代が約半分です。出身国は、今は中国が最も多く半数を超えますが、当初は韓国が多かったようです。近年ベトナム、ネパールなど東南アジアからが増えており、欧米の方もいます。変遷に日本の経済情勢が見えてきます。夫の赴任で来日した婦人、日本で働く子供に呼び寄せられた親、日常会話が出来ても、読み書きができず、困っている人など様々です。ここではひらかな、カタカナの読み書きから始めています。一方、昼サロンは、ボランティアの男女・年齢構成は教室とほぼ変わりませんが、違いは学習者さんが日本語の基礎ができている人を対象にしているところです。
民間の日本語学校生も受け入れています。教科書が無く、フリートーク、観光、食べ物、日本と違う文化・習慣を話題にすると盛り上がります。日本語表現の質問はよくありますが、留学入試の面接のアドバイスを求められたこともありました。仲間内では母国語になるので、日本語を話す場は少ないようです。毎回相手を変えて色々な人と話せるようにしています。会話中心の気楽なところが私好みです。
終わると学習者さんが「先生ありがとうございました」と言ってくれます。「先生」と呼ばれるのは恥ずかしいのですが、2時間の疲れを忘れさせてくれます。上手く教えられるようになりませんが、「習うより慣れよ」、実践しながら、あきらめず取り組んでいれば、なんとかなると思うことにしました。日本語ボランティアを始める前は、英話も使われる世界を想像していました。現実は、英語が話せない人が多く、英語勉強の期待は叶いませんでしたが、学習者さんの日本語を学ぶ姿は、自分の英語勉強の励みになります。さらに、日本語教室のおまけは、遅ればせながら電子辞書の便利さに気付いたことです。スマホ辞書を巧みに利用する学習者さんに触発されました。スマホは使えませんが、電子辞書が助けてくれます。
やさしいことばが思い出せない時がよくあります。
私にとって日本語ボランティアは「教育」(今日・行く)の場です。新しく地域の人達とのつながりもでき、地域情報も入るようになりました。区のPR記事みたいな話になってしまいました。(7期生 東)
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