和食が文化遺産になったと聞いて、30年程前に読んだ栄久庵憲司氏(キッコーマン卓上醤油ビンのデザイナー)の著書『幕の内弁当の美学』を思い出した。
松花堂ではなく幕の内、一つの箱の中に山の幸、海の幸、そして「おもてなしの心」が盛られた日本の美、その弁当がやっと世界で認められた。と思ったのですが、文化遺産の前に「無形」がついていて、すしや天ぷらではなく、正月におせちを食べる、雛祭りにちらし寿司を食べる、という「食の社会習慣」が無形文化遺産になったのだそうです。なるほど、日本独自の食習慣、バレンタインチョコやクリスマスケーキも文化遺産ですね。
ところで、遺産登録は「危機に瀕している文化の保護」がそもそもの目的。喜んでいいのでしょうか。(七期生 土谷)
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