RSSCの迫力
2015年度よりRSSC本科ゼミナールを担当するようになり、今年で2年目を迎えました。まだまだ新参者ではありますが、1年目のゼミだけでもRSSCの迫力は充分堪能させていただきました。迫力というのは、皆さんが取り組まれる修了論文の主題のリアリティです。現実的な重さや意味です。
個々の論文は個々の動機に発するものであるにもかかわらず、それが1ゼミで12本ほど並ぶと、現代社会のある断面を観るような想いに駆られます。もちろん、現実的な主題もあれば抽象的なそれもあり、一概にリアリスティックだとはいえません。それでも、私たちはいまどんな場所、どんな社会で生きているのか、不意に気づかされるような想いに駆られます。そんな迫力です。
自分にとって切実な現実を「とらまえよう」と、個々の主題を探り穿ってゆくその情熱に修了論文の価値は存すると思われます。そしてこれはべつにRSSC特有の取り組み方ではなく、学問研究の根底にはつねに宿っている態度なのだと思います。とはいえ、RSSCにおける「迫力」は、言葉遊びめいていますが、論文に取り組む方々を衝き動かす力、「衝迫力」が並外れているのではないかと思えてなりません。
野田研一
立教大学セカンドステージ大学兼任講師
立教大学名誉教授
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