11月6日、「修了生が語るアクティブシニアの生き方」2026年度の講義を聴講する機会を得ました。テーマは、RSSC2期生・堤静香さんによる「がん患者の励まし全国講演活動-目標があるからこそ生きるのが楽しい! 最後まであきらめない」です。

堤さんは2004年、頭頚部骨肉腫という、当時5年生存率が10%程度とされる悪性がんに罹患されました。これは映画『愛と死をみつめて』のヒロインと同じ病です。絶望の淵に立たされるなか、親鸞の教えに帰依し、左顔面の半分を切除するという苦渋の決断をされました。

ところが、手術のために入院する直前になって、ご主人から「切らずに治す重粒子線治療」という最先端医療の受診を強く勧められます。堤さんは悩み抜いた末、我が国で初めて導入された重粒子線治療を受ける決断をされました。それは、目前に迫った手術を取りやめて臨む不退転の決意でした。

重粒子線治療は成功し、堤さんは今日に至るまでお元気に過ごされています。この大病を経験されたことで、堤さんは「人は生きているのではなく、生かされているのではないか」と思うようになったそうです。私には、堤ご夫妻の深い愛情と強い絆が、この奇跡を生んだように感じられました。

その後、堤さんは「放医研・虹の会患者会主宰」、「医用原子力技術研究振興財団理事」、「QSTがん親善大使」などの要職を務め、重粒子線治療の普及活動や、がんに関する啓発活動に尽力されています。また、「がんに罹ったら私に相談してください。患者と医療の橋渡しもしますよ」という心強い言葉もいただきました。

堤さんには、RSSCワイン同好会会長というもう一つの顔があります。講義後半では、坪野谷先生から「堤さんとワイン同好会のエピソード」と題して、同好会設立の秘話ともいえるお話がありました。

2010年1月、RSSC第1期生が専攻科を修了する際にワイン同好会が発足し、以来、RSSCの歴史とともに歩んできました。現在は1期生から19期生まで270名を超える会員を擁し、今年の本科19期生からもすでに8名が入会しています。コロナ禍による中断はあったものの、今年12月6日には71回目となるワイン会が開催される予定です。

現在のワイン会には、会員だけでなく、その家族や友人、さらには歴代の先生方も参加され、ワインとフレンチのマリアージュを楽しんでいます。また、クラシック、ポップス、演歌など幅広いジャンルのプロのミュージシャンを招いたステージも催され、交流の場に華を添えています。

会場は吾妻橋にあるアサヒビール本社ビル最上階のレストラン「ラ・ラナリータ」です。貸切りで開催しており、墨堤の桜や間近に望む東京スカイツリーなど、すばらしい景観も楽しむことができます。

ワイン同好会は、堤会長を中心に多くのメンバーが役員として支えています。私もその一人ですが、ワイン会が人生のセカンドステージをさらに豊かで楽しいものにする一助となればと願っています。

                文責:中田克己  写真:田口千恵、真田育則

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ワイン同好会