シルバーウィークに、妻とジンバブエ、ボツワナ、南アフリカを旅した。私が人生最後の海外旅行として、どうしてもビクトリアの滝を見たかったからだ。新婚旅行でナイアガラの滝、定年退職記念でイグアスの滝を訪れた私たちにとって、これで世界三大瀑布を制覇することになる。

成田を土曜の20時40分出発、仁川空港、アジスアベバ空港、ビクトリアフォールズ空港に翌日の12時10分着の16時間30分プラス時差6時間の22時間半の飛行時間を経てジンバブエに到着したが、早速トラブル発生。預けたスーツケースが出てこない。人生三度目のロストバゲージだ。無事南アフリカへ旅立つ前日夜に到着したが、オーロラ観光で極寒の中で二晩凍えた時と比べればノープロブレム。

到着一日目のハイライトは、これも人生一度は乗ってみたかったヘリコプター。幼いころ池袋のデパートの屋上からの遊覧飛行を見てからの70年越しの夢だった。上空から眺めるビクトリアの滝は幅約一・七キロの断崖から水が流れ落ち、周りの深い亀裂が刻まれた雄大な台地にも圧倒された。乾季で水量は少なかったが、その分、滝の全容を見渡すことができた。翌々日には滝沿いの遊歩道を散策し、轟音と水飛沫を全身で体感した。

二日目は国境を越え、ボツワナのチョベ国立公園へ。午前中はボートサファリを楽しんだ。広大なチョベ川には無数の鳥が飛び交い、中州では1m先には胴回りが2mを超える巨大なワニが日向ぼっこをし、カバの親子が水辺で遊んでいた。午後は国境を越えボツアナの自然公園へサファリカーで向かう。途中ホロホロ鳥は至る所におり、ヒヒ、イボイノシシも道路を占領していた。公園内では泥浴びをする象の群れや、母親に寄り添う子象、ハネムーン中というライオンのカップルなどにも出会えた。

一方、死んだばかりの大きな象にハゲタカが群がる姿や骨になった姿には、誕生から死への自然界の厳しさを感じた。雄大さではタンザニアのサファリに軍配が上がるが、ここはコンパクトに自然の厳しさを感じることができた。気温は日本では30度を超えていたがここは25度程度で長袖が必要だった。

旅の後半は南アフリカのケープタウンへさらに空路4時間の旅。海と山に囲まれた美しい町で、治安の悪い南アフリカの中では良い街である。ボルダーズビーチでは、愛らしいアフリカンペンギンの行列や子育てを間近に観察。喜望峰では大西洋の雄大な景色を楽しみ、野生のダチョウやヒヒにも出会った。天候が心配だったテーブルマウンテンも、幸運にも雲が晴れ、山頂から町と海を一望できた。帰り際には、白い雲が崖から流れ落ちる「テーブルクロス」という幻想的な光景まで見ることができた。

翌日はダチョウ牧場を訪れ、餌やりや記念撮影を楽しんだ後、ワイン産地ステレンボッシュへ。美しい葡萄畑を眺めながら、妻は白ワインや赤ワインをゆっくり試飲し、私はスプライトで贅沢な時間を過ごした。カーステンボッシュ国立植物園では、自然そのままの中で春の花々や豊かな自然を親しんだ。旅を通して、美しい自然だけでなく、アフリカの歴史と社会についても考えさせられた。南アフリカにはアパルトヘイトの歴史があり、現在も貧富の格差が残る。それでも、多様な人々が共に生きようとする姿やたくましさが印象に残った。

今回の旅もロストバゲージ、乗継便でうっかりして空港でアナウンスされる等アクシデントは多く、よく無事に成田まで到着したとほっとした。今回は私の人生最後の海外旅行のつもりだったが、無事に旅を終え、まだ行けるかもしれないと感じた。よし、来年はアマゾンで子供のころからの夢だったピラニア釣りをやろう。これから体力づくりだ。 (7期生 加瀬靖博)

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