大した読書家でもないくせに、何故か小学生の頃から町の図書館や学校の図書室が好きでした。本を読まず、本に囲まれているだけで満足だったのです。(この傾向はその後、問題集を買っても買っただけで安心して解かないし、食材を買っただけで、料理をしないところに残りました。我ながら困った癖です)。今も図書館で過ごすことが私のお気に入りなのですが、どうやら、最近、図書館が変わってきていると感じています。

森の中に新しい図書館を発見
正式名称は「まちライブラリー@MUFG PARK」(東京都西東京市)。もとは銀行の福利厚生施設だった運動場を一般に公開し、その一角に開館した図書館です。「まちライブラリー」とは「『本』を通じて『人』と出会うまちの図書館」だそうです。蔵書数は約12,000冊、すべて寄贈本で成り立っています。本の奥付には寄贈者からのメッセージが書かれたカードが挟まれていて、次に読んだ人が感想を書くことができるという仕掛けもあります。

ユニークなのは「タイムカプセル本箱」(左写真:書棚上部のカラフルな箱)。写真や手紙、思い出の品など大事なものを本型のタイムカプセルに入れて保管、1年単位で所蔵してくれます。高い天井と庭側の全面ガラス張りの壁は解放感があり、明るく、そのガラス張りに面した一人用机で、パソコンを開き、コーヒーカップを片手に画面を見つめる若い世代の姿を目にすると「ここはスタバ?」と思うくらいです。(➡まちライブラリURL https://machi-library.org/where/detail/8096/)          


ライブラリー内ではコーヒーだけではなく、食事もOK。おしゃべりも大丈夫です。ライブラリーをどのように使うかは利用者次第なのです。誰でも入室、閲覧でき、2023年6月の設立から今日までに約17万人が訪れています。

公立図書館が悲鳴を上げている!
公立図書館は、自治体の財政再建の波に押され、人件費を削減するために正規職員を減らしたり、管理を自治体から指定管理者に移したりして、本来の図書館の役割を果たしにくくなっているのです。私の近隣では図書館を統廃合して、図書館の数を減らした自治体さえあります。

「図書館維持は出費がかさむ一方で財政を圧迫している、だから仕方ないこと」なのでしょうか?でも、公立図書館は私たちの「知る権利」を守っています。税金をつぎ込んで余りある存在です。このまま、公立図書館が苦境に陥っているなら、情報や知識を得たい時に得ることができなくなるのでは?と心配です。

図書館で私の背の高さを越える書架の間を歩いている時、まるで森の中にいるような気がします。いつか必要とする人が現れるまで待ち続けている書架に収まった書籍たち。この森は私たちを守ってくれる。私たちが誤った選択をしようとするとき、きっとその誤りを気づかせてくれる、そんな希望が湧いてきます。

「人類の記憶と可能性」が集積された公立図書館、それが変わることを迫られている時、私たちはかけがえのない存在を手放してよいのかを問われていると思います。(7期 酒井早苗)                                                       

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