何が良くてロシアくんだりまで行ったのか?
ズバリ一言、サッカー日本代表12人目の選手だから。
W杯前までの日本代表に対する評価の低さは酷すぎ。ブラジル大会終了後からアジアの国々とホーム&アウェーで闘い続け、W杯への出場権を獲得したのに、あまりの仕打ちです。こんな時こそ12人目の選手(サポーター)の出番、「そうだ!ロシアへ行こう!」
32か国の至福
日本代表が相手チームのゴールネット揺らす、その瞬間、誰彼構わず周囲の人々とハイタッチ、ハグ。タオルマフラーを頭上でブンブン振り回す。一方、相手チームがゴールを決めたその瞬間は頭の中、真っ白。そして叫ぶ「うそでしょ!」。とびっきりの喜びも、膝下から力が抜けるほどの落胆も、4年に一度、世界の中からW杯出場にこぎつけた32の国の人々だけができる経験です。歓喜と涙、それを代表選手と共に味わい、海外サポーターと言葉は通じなくても和気あいあいとサッカーを楽しむ、出場国の人々だけが得られる至福です。
サッカーは文化の鏡
サランスクのすり鉢状のスタジアムはコロンビアユニフォームの黄色一色。日本のメディアはコロンビア人2万人、日本人2千人が入場と放送したそうですが、実感としてはその倍くらいのコロンビア人が居た気がします。彼らの声援と熱気に圧倒されっ放しでしたが、対戦結果はご存知の通り。負けても変わらないコロンビア人の陽気さはあっぱれです。
試合終了後、観客席を掃除する日本人サポーターの姿が世界から称賛されました。いつもやっていることで、褒められたくてやったわけではありません。それに、ロシアまで最も遠い出場国の一つであるコロンビアから、2万人ものサポーターが押し寄せることも称賛に値しますよね。試合後にスタジアムを掃除するのも文化なら、サッカーこそ我が人生とばかりにW杯会場に押し寄せるのも文化です。
侮辱にはイエローカード
「日本人の女の子がコロンビア人に何かされたらしい」「日本女性が警備隊に助けを求めたのを見た」、コロンビア戦後、日本人たちが宿泊していたホテルで不快な噂が広まりました。翌日、日本からのニュースによって明かされた真相は、負けた腹いせにコロンビア人男性が日本人女性に悪い言葉を言わせて侮辱したとのこと。せっかく、サッカーを通じて親近感が増したのにがっかりです。不埒なコロンビアサポーターにはイエローカードを進呈。ちなみにサッカーの審判員は予め各国の罵詈雑言を学んでいます。ですから判定が気にくわない時、分るまいと思って審判に向かって母語で悪態をついても分かってしまい、言った選手は審判侮辱でカードをもらうはめになります。
妖術師現る!?
セネガル戦ではセネガルサポーターが一握りしかいないため、完全に日本で試合をしている状態でした。少ない人数ながら、彼らは揃いの黄緑色のユニで身体を左右に揺らし、チャント(応援歌)を歌い続けていました。しかし、セネガル人の中に奇妙ないでたちの人物を発見。セネガルは昨年の国際試合で呪術に使う人形を持ち込み、黒魔術を使おうとした「前科」があります。奇妙ないでたちの人物は妖術師かも。日本代表が度々ゴールポストに嫌われて決めきれず、引き分けになったのは彼の妖術のなせる業ではないかと疑ったのですが、妖術にそれほどの力があるなら、すでにセネガルはW杯で優勝しているはず。
いろいろな発見と予想外の試合結果に立ち会えたW杯観戦、その一部をご紹介しました。皆さん、4年後の「カタールW杯」に行きませんか?
(七期生 酒井早苗)
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