【無心の大切さに思う】
「花は無心にして蝶を招き、蝶は無心にして花を尋ねる」という大好きな言葉があります。花は蝶を招こうとして咲いているのではなく、蝶も花を尋ねようという心があるのでもありません。自然の節理に従って生きているだけです。無心とは心がないわけでなく、物欲を捨て、心を無にして、物事に接する大切さを教えていると解釈しています。
メディア現場での40年を越える実体験を基に、セカンドステージ大学の教壇に立って2年目です。様々な困難を克服しながら聴講される姿は、実に、美しく素晴らしいと思います。時に、ハートの熱さに圧倒されます。毎回の講義が感動・感激・感謝の連続です。放送と通信が融合する双方向の時代、私にとって、将に、学び舎は、皆さんから学び取る「歩歩是道場」だとも思っています。
立教大学と言えば、長嶋茂雄を思い浮かべる大ファンです。長嶋茂雄の才能を磨いたのは、当時「鬼の砂押」と恐れられたスパルタ式猛練習で最終的には野球部員の排斥運動で監督退任に追い込まれた砂押邦信氏と言われています。天賦の才も、心を鬼にして磨いてくれる人がいて初めて輝くのです。この「天」の字は、分解すると「二人」で出来ています。
情熱と集中力と努力があれば克服できない課題はないと確信しての我が人生でした。「我、人と逢うなり」と書いて「我逢人(がほうじん)」という座右の銘は、「自分だけで考えて行動していては見つからないものがある。人との出会いこそが全ての始まり」との意味で、人との出会いを大切にする言葉です。記者生活の原点で、今も、反芻しています。
米国のトランプ新政権・英国のEU離脱・韓国の政治的混乱・ロシアとの平和条約締結問題等日本を取り巻く世界の政治・経済情勢は、益々、そして極めて、不透明感があります。立教大学に通じる街並みは日々その表情を変えますが、皆さんと共に語らう「心柱」は変わりません。「中途半端だと愚痴が出るが夢中になれば智恵が出る」を肝に銘じ、皆さんから刺激を受けながら、講義内容により一層の磨きをかける覚悟です。
立教大学セカンドステージ大学兼任講師
元NHK広報局長・政治部記者
三浦 元
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