5期生ら、「上野鈴本演芸場」で大いに笑う

 昨年12月某日、2016年度の5期生会ファイナルイベントは「新春初笑い」に決定!
某TV局の長寿番組は常に視聴率20%を窺うほどの人気ぶり。いま落語は静かなブームとのことで、新春には打ってつけの取り合わせということで即決定しました。
新宿末広亭、浅草演芸ホール、上野鈴本演芸場、池袋演芸場が都内の4大演芸場といわれています。
山手線内にはないのです。ということは、やっぱり寄席は江戸の昔から庶民の娯楽場、社交場だったのですね。
本当は1月中に開きたかったのですが、予約の電話を入れたときには既に団体席は確保不可。改めて人気の高さを知りました。開催日を再検討して2月8日に決定したというわけです。
 当日の昼の部(12:30~16:30)は総勢15名の演者、たっぷり4時間の熱演を楽しめて、木戸銭は何とッ!ビックリすることなかれ、2,600円也(15名以上団体割引)。国内で類を見ないコストパフォーマンスの高さと言えるでしょう。お弁当やビールなども鑑賞しながら食べられるのですが、今回は各自摂ってきてもらうことにしました。三々五々、演芸場の前に参集したるは、いつもよりにこやかな5期生の15名。“今年もよろしく”の挨拶も聞かれます。
 本日の出し物は、落語(9本)は勿論、マジック、三味線漫談、紙切り、漫才、太神楽曲芸等など、多芸多才な出演です。飽きることなく、居眠りすることなく、芸風に引き込まれながら、お腹の空いたのも忘れて楽しむことができました。チョッとびっくりは、入場時に配られる番組表(プログラム)とは別人の出演者(ピンチヒッター)でも、変更になったお詫びも、お知らせもない大らかさ。それに目くじらを立てるような無粋な人もいない会場の雰囲気がいいですね。
9本の落語はトリに近づくにつれて話芸が巧みになり、その世界に引き込んでくれます。トリを務めた鈴々舎馬桜さんは、なんと30分の熱演でした。30分を淀むところなく喋くり続けるのは古館伊知郎さんくらいか?さぞ至難の業でしょう。その芸道への意気込みに敬服し、この様な暢気で平和な庶民の文化がいつまでも絶えることなく続いてくれればいいな、と感じたのは私だけではないでしょう。
 立春も過ぎ、日が随分と延びました。まだ明るい上野の街中を落語談義でブラブラと「吉池食堂」を目指します。この「吉池食堂」は御徒町駅前のビルの9Fにあり、ガラス張りの大きな窓からは、上野の夜景と漆黒の森のコントラストがきれいなのですが、庶民の街お値段で楽しめます。
まだ5時前、しかも平日というのに、既に5期生と同年輩の若者で大賑わい。当に高齢社会を象徴している光景です。席だけでも予約していて正解でした。鈴本演芸場では芸に引き込まれ、固唾しか飲んでいませんでしたので、運ばれてきた中ナマが美味しかったこと。昼から夜まで、5期生は大いに笑って、飲んで、とても楽しい一日でした。

                    (文責:吉澤健春)