「RSSC茶の湯同好会の運営」 :第5期生専攻科修了 小村晴美
■自己紹介 5期生 小村晴美
1) お茶が生涯の趣味・先生なった経緯
2) 茶道クラブを作った仲間達
3) クラブ活動のお稽古の現状と楽しみ
4) 指導員としての生き甲斐
5) 多くの世代に日本の文化の伝承
2012年(平成24年)RSSC5期生として皆さんとお仲間になりました。修了し、今尚RSSCに関わる光栄な日々を喜々とした忙しさの中に過ごしております。
私は修了と同時に坪野谷先生のご尽力でRSSC茶の湯同好会を設立、3年目を迎えました。
1)お茶が生涯の趣味・先生なった経緯
茶の湯と連れ添って60年余り、最初から確固たる信念などなく、時の時代背景と自分を取り巻く環境の必然性から、始めた習い事のひとつでした。
今から60年余り前、昭和30年代の時代、その時私は青春の真っただ中、かけそば15円中華そば30円牛乳一合13円、もちろん1万円札はまだ無い、高卒の給与8千円手取りは6千円足らず、女性の大卒の採用はない、中学を卒業し就職する人も多く、高卒、大卒も就職難を極め、有ったとしてもほとんどが縁故採用 こんな時代背景を思ってください。この後猛烈な速さでインフレが始まります。今から思えば青春とは程遠い世情、この時期の結婚適齢期を迎えた女性の花嫁の必修科目のひとつが、「お茶のお稽古」 男性優位の社会環境にあっては、生け花・お料理・和裁・洋裁、一通りの稽古事が出来ている事、出会いの機会は仲人さんからのお見合が主流履歴の羅列であった。この頃の女性は、大半はお茶のお稽古を体験しているのではないかと思います。夫々どんな習い事でも、続ければ続ける程に奥の深さを知り、尽きぬ学びに、はまり込んでゆくような気がいたします。
今日ある「茶の湯」の歴史は古く、平安時代に栄西禅師が唐よりもたらした茶の栽培から始まり、「喫茶養生記」にある「薬は末代養生の仙薬、人命延齢なり」この喫茶文化有り、その380年後千利休によって大成される侘び寂びの世界、世界に誇れる日本独自の芸術文化、そして今から400年前波乱にとんだ「千利休」の生涯を知りたくなるのもお茶のお稽古をする者にとっては当然の経緯、奥深い入り口となります。
趣味としての茶の湯、行としての茶道
現代社会の中で、時に心身の疲労を癒してくれる時空を求めての茶の湯の稽古であります。床の間の花は楚々としていてもしっかり季節を主張し、一服の茶、出されたお菓子にも季節の彩。亭主と客との一体感は一日の疲れを癒してくれる。いつの間にか生活の中の欠かせないひと時となります。点前の所作だけでなく、使われている道具に全て物語がある楽しさ、人生の先輩方、若き方々の話題、茶席での語らう楽しさ、やがて茶の湯の世界の仕組みを理解するようになります。それは家元制度に有ります。そして入門することになります。 茶法は全て家元から伝授されます。改編することは許されません、改訂は家元だけの権限、茶法は家元の権威の象徴もあり、入門すると終生の流儀に属し能力の差ではなく修養年限に重きをおく、時間と経過が地位を守り、家元に対する心服を持ち自発的に組織の和合の方向に働きつつ、茶の湯を学び伝える。400年もの長きに守り続けることが出来たのも、この家元制度の貢献は見逃せないと思います。
2)茶道クラブを作った仲間達
現在のRSSC茶の湯同好会は和気あいあいの中3年を迎えています。どんな習い事も独りで出来るものはありません。特にお茶の稽古には、舞台が必要になります。小道具も必要なのです。それには多くの応援無くしては成り立ちません、協力が実ってこそ今日が有り明日もあるものと思います。
3)クラブ活動のお稽古の現状と楽しみ
目白亭をお借りするに当たり、当初はお隣の襖越しでのお稽古中の方にお叱りを受け帰ってしまわれた程、同好会の仲間は楽しくて可笑しくて、確かに茶の湯に程遠い雰囲気と相成る事態に戸惑いながら、何と今はすっかりお茶のお稽古になっているではありませんか、茶の湯が作法だけにあるのではなく、元には人と人との結びつきにあるものと思います。同好会が皆さんにお披露目する日は遠くないと思います。
4)指導員として生き甲斐
生き甲斐となると、かなり重たい言葉であり、自分自身には面はゆい。自分の年齢に気が付けば何と長く「茶の湯」を続けているものだとは思うが、初めてから、60年以上、ある時は自宅で、夜遅くまで近所のお嬢さん達の結婚前の少しの嗜みとしてのお付き合いであったり、時には出稽古に行ったり、お稽古どころではない生活の事情もあったり、お茶の世界が疑問だらけで遠ざかった時期、それでも細々と繋がりながらも、お茶会にはよく出かけた、生活に疲れた時でも、晴れ着に身を包み茶会の席に座る時、気持ちの高揚は、明日へのカンフル剤にはなった。少しでも教えることのできた時期に誇りの持てる瞬間であったかもしれない。今尚同好会でお稽古できるのは、明日への力になっている事は確かなことです。
5)多くの世代に日本の文化の伝承
茶道も茶の湯も武士の嗜みであったものが、維新の到来はスポンサーであった武士が無くなり、お茶の世界は衰退していきます、一方女性の嗜みとして女子の教育の中に取り入れられ等、女性の台頭は目覚ましく、又「岡倉天心」が英文でアメリカにおいて出版された「The book of Tea」によって日本の文化と歴史が日本以外の国によって、日本独自の芸術文化として広められてきます。「茶の湯」が武士から財閥商家に支えられる時代が訪れてきます。
小村さん「アクティブシニアの生き方」プレゼンテーション(160601
RSSC茶の湯同好会
『RSSC茶の湯同好会』のご紹介 ■『RSSC茶の湯同好会』は2014年4月22日に発足し、現在10年目を迎えます。 原則として毎月1回、立教大学池袋キャンパスから徒歩で10分位の…
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