昨年4月、専攻科の講義が始まってすぐRSSC修了後の「止まり木」或いは「ベースキャンプ」をどこに置こうか?と考えたのですが、再び仕事を探して働く気も失せていたので、選んだのが大学院への進学でした。そのキッカケは、一昨年の冬、RSSCラウンジの白板に貼ってあった明治大学商学研究科シニア入学生と立教セカンドステージ大学生を取材した新聞記事(右の「ピカピカ向学心」)でした。webで調べると「商学研究科 シニアのための入学試験 実践知の創造と伝承 <貴方の歩んで来た道を次世代に>」とシニア入試の狙いが書いてあり、この文章に不思議と共感し、受験の意思を固めました。入学試験が職務経歴書・研究計画書による一次選考と課題レポート・面接の二次選考の二段階選抜で苦手な筆記テストや語学がなかったこともあり、お陰さまで入学が許されて本年4月より学割の使える大学院生になりました(4月に若い方と並んで通学定期を買うのが少し気恥ずかしかったです)。
入学して一番驚いたのは、商学研究科入学生30人弱のうち、20数人が中国から留学生だったことです。そのうち、8割近くが女性です。通学日は毎日留学生の皆さんといるので、驚き、感心し、教えられることが本当に沢山あります。これは纏めて別途報告したいと思いますが、取り急ぎひとつだけ紹介をします。中国の皆さんにとって、漢字のパーツのようなカタカナが一番難しいそうです。特に、外来語をカタカナ表記したものは本来の発音と違うので、例えば“リレーションシップ”が”relationship”であるとすぐに分からないのです。彼らは英語教育を受けているので“インフラストラクチャー(infrastructure)”の様に表記してあると助かるそうです。今お読み戴いている皆さまが、日本語の分かる中国の方に日本語資料を渡す機会が出てきた場合は、是非このような表記方法をお願い致します(多分これは中国の方に限らないと思います)。
さて、日々の学生生活を少し紹介したいと思います。まず、学内は学部のようなザワザワ感は全くなく、とても静かで少し大人の雰囲気がします。そのような学舎へ私は、週5日通学し演習(=ゼミ)も含めて7科目履修しています。私の履修科目で一番受講人数の多い科目は9人、一番少ない科目は指導戴く教官を含めて3人です。スクール形式はなく全てロの字形式で(演習室の写真を参照下さい)、全科目がゼミのようなものです。只、講義の進め方は指導の先生方によって、PPTを使った解説と質問の方式、テキストの各章を順番に受講生が発表する方式、指定されたテキストや論文を事前に読んで質問を提出し授業で討議する方式、ケーススタディーを受講者全員で考える方式など様々です。少人数なので全員が発言することになりますし、報告の順番が直ぐに回ってきますので、予習や発表の準備などで「退屈する暇はない!」と言うのが実情です。尚、商学研究科は単位取得の為のテストが原則なく、講義にどれだけ貢献したかの平常点で判断されます。これは修士論文を書くのが2年間の絶対のテーマであり、各講義は修士論文を作成するための学術的な基盤を作る為のものだからだと思われます。この点がテストで必要単位数を積み上げて経営管理修士の資格取得を目的とするMBAと大きく違う所です。
大学院に入り、日々自らの基礎知識と理解力の不足を痛感すると共に、大学院に通うある種の贅沢感を強く感じています。また同時に、一年半後に提出する論文(今のところ先が見えていません!)のことが絶えず頭の中にあり、あれを調べてみよう、こういう方法はどうだろうか、と考えていると時間が本当に早く過ぎて行きます。これが現時点の日常です。各大学院で違う点も多々あるかと思いますが、大学院進学を考えておられる皆さまの参考になれば幸いです。
(7期生 杉村)
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