ボッティチェリ展 Botticelli e il suo tempo
2016-03-16 上野 東京都美術館
イタリアルネサンス期の4大巨匠画家の一人、サンドロ・ボッティチェリは、優雅で美しい聖母や神話の女神を描いた画家として知られている。その作品は多くが板に描かれ、きわめて繊細であるため、まとまった数の来日はこれまでに叶わなかったが日伊国交樹立150周年記念として世界各地から20点以上ものボッティチェリ作品を集め、その画業を一望する大回顧展が開催された。
鑑 賞 記
まだブルッとする寒い中、15人というこれまでの最高の人数で鑑賞して来ました。当日はシルバーデーだった為、目当てのものが見られない程の混雑ぶりでした。事前学習をしっかりと松本楼にて詰め込み、その時の話し合いで深めたことを基礎知識としていざ名画との出会いに。
15世紀末から16世紀初頭にかけてイタリア・フィレンツェに花開いたルネッサンス美術。その代表的な画家ボッテチェリは、同時代のレオナルド・ダビンチ、ミケランジェロら巨匠たちと才能を競い、優雅で繊細な線描と、華麗な色彩で独自の装飾的な作風を確立した。ボッテチェリ作品が20点以上も一堂に会するのは日本で初めてで世界的にもごく希少な機会とのこと。
師であるフィリッポ・リッピとその子供でありライバルでもあったフィリッピーノ・リッポの作品を合わせて78点が展示されており見ごたえのある展示でした。 初来日『書物の聖母』には「金色の光輪の描写、衣服の鮮やかな青の色などが素晴らしい」。『東方三博士の礼拝』に対しては「巧みな構図や登場している人物からその当時のメディチ家の影響力が窺える」。『美しきシモネッタの肖像』は、「素晴らしい美人だ」との感想の他に「こんなに手の込んだ髪の編み方できない。」「これが美人なのか?俺の好みではない。」などと不届きな感想も漏れ聞かれました。
今回の展示に聖母子が14作品ありその表情・眼差し・抱き方はそれぞれ違って描かれており様々でした。「聖母子について他の画家や時代の異なる画家との違いを比較したら面白いのでは・・」との新しい視点での提案も飛び出し楽しい鑑賞会と食事会でした。(坂田俊次記)
名画(美術)鑑賞友の会主宰 渡邊敏幸 tokyo.tomine-toshi@ezweb.ne.jp
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