KISSの投稿はもう何回目になるんだろう。数えてみようと思ってパソコンを探ってみたが、残念ながら正確なところは把握できず、まあ、たくさん投稿した!という事で、さて今回は何について気持ちを吐露しようかと思いを巡らしながら、そういえばもう長いこと旅に出ていないことに気が付いた。一泊二日のとんぼ返りの温泉程度は何とかこなしてはいるものの、ゆったりと自分を見つめ、旅先の景色に思いを馳せ、KISSに投稿して喜んでもらえるようなそんな旅の記憶は全く無い。
何故かと言うと、もう皆さんお察しの通り、私の唯一の同居犬バジル君の介護にあけ暮れているせいである。バジル君はこの10月で16歳と6か月になる。人間でいうと85歳くらいかな⁈いや90歳か?
幸い目はまだ見えるし4本脚も何とか動くが、日に日に衰えてくる足腰と、制御の利かなくなった排せつと、彼も彼なりに戦っている健気さが愛おしい。
かくいう私も膝が痛い、腰が痛い、手が上がらない、当たり前のように襲ってくる経年劣化という現実に何とか折り合いをつけながら、床の掃除やシートの交換、老犬臭を消すための週1回の全身洗浄など、バジル君の介護に奮闘している。
バジル君は歯がほとんど無いため、私の手作りの離乳食のような肉野菜とウエットの缶詰ぐらいしか消化しなくなっているくせに、食欲と排せつは旺盛である。歯がないから食べた後のカスや飲んだ後の水がぽたぽたと床に足跡のように点在する。私のモップの出番である。
そもそもペット嫌いの私がなぜ犬を飼うことになったかというと、それはもう長い話になるのでこの場では置いといて、生まれて4か月のトイプードルとペットショップで遭遇し、一緒にいた娘がこの犬と目が合ってしまったのが運命のいたずらだった。娘が飼いたい!と言ったので、「一週間後にもう一度見に来て、まだこの子が売れ残っていたら買いましょう!」と約束してその場を去った。
正直言うと目が合ったのは娘だけではなく、私も一瞬でとりこになっていた。でも、どうせ私が面倒みる羽目になるのだから・・と、その場を切り抜けたのだ。昔ハムスターでも同じような経験をして、えらい目に遭ったことがある。そんなわけで一週間後に娘に手を引かれてペットショップを訪れた。居た!18万円だったのが17万円に値下げされてもまだ売れ残っていて、私たちの訪問を待っていたかのように、しっぽを振るではないか!もう、ノックダウンである。

時は流れ、娘は今や3人の子持ちとなり、仕事と子育てに奮闘中。案の定犬の世話は最初から100%私の担当となった。それからあっという間の16年。犬も年取れば私も老化する。しかしながら、出会いと別れを繰り返す紆余曲折の積み重ね、そんな人生の流れの中で、考えてみれば16年以上私とベッドを共にしたオスは、バジル君だけである。今や私の寝床はバジル君が占拠し、片隅に追いやられた私のいびきや寝返りをものともせずに、夜の徘徊を繰り返す。
嬉しい時も悲しい時も寂しい時も、忠犬は傍らでじっと何か言いたそうな眼付きで私を凝視している。以前犬がしゃべる映画が何本かあったけれど、本当に犬がしゃべれたらどんなに面白いか!映画にしてみたかった、その気持ちはよくわかる。一方でバジル君がしゃべったら、私のすべてを見透かされているようで怖い気もするし、きっと煩わしくて愛情も薄れるかもしれない。
心置きなく旅に出て、その経験や感動をお伝え出来るのはいつになるかわからない。今はただ、残された時間を丁寧に生きる!今この時にやるべきことをちゃんとやる!という気持ちを見失うことなく、長いこと私を癒してくれたバジル君に恩返しをしている毎日である。
(7期生 梅原)
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