農山村に学ぶ―地域とつながる、これからの生き方

大和田 順子(教育テック大学院大学教授)

 今年の「サステナブルコミュニティの思想と実践」も、埼玉県小川町を訪ねました。「霜里農場」を訪れるたび、有機農業の先駆者・故金子美登さんと、その思想を受け継ぐ金子宗郎さんたちの実践の大きさを感じます。金子さんの有機農業は、単なる栽培方法ではなく、地域そのものを持続可能にしていく実践です。受講生も、落ち葉やおから、廃食油など地域資源を循環させ、食とエネルギーを自給し、農家、地元事業者、消費者をつなぐ仕組みを現場で見て感銘を受けました。さらに、その思想が次世代や地域全体へ広がっていることも印象的だったようです。「金子さんと後継者の方々が作り上げたシステムに驚嘆した」「農産物を買う、地域を訪れる、誰かの活動を応援することも地域を支える」といった感想もありました。

朝どれの有機野菜を購入しました!

 授業で取り上げた世界農業遺産・奥出雲町にも、地域を支え続ける素敵な先輩がいます。奥出雲多根自然博物館長の宇田川和義さんです。町役場職員時代の2003年、ドラマ『砂の器』を奥出雲に誘致。そのご縁が20年以上続き、2023年の『VIVANT』、そして現在の第2シーズンのロケへとつながっています。70代半ばの今も現役で、地域の魅力を発信し続けています。

 RSSCでの学びも、卒業がゴールではありません。地域には、これまで培った経験やつながりを活かし、新たな役割を見つけられる場があります。「アクティブサポーターズ」にも、ともに活動する仲間がいます。いつか皆さんと奥出雲を訪ね、宇田川さんをはじめ地域を支える方々と活動しながら、人生後半を豊かに生きるとはどういうことか、私たち自身の「豊かな70代」を一緒に考えてみたいと思います。

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編集チーム 十八期生