愛・アイデンティティ・魂について
大野 久(RSSC本科ゼミ担当教授)
最近、単行本の原稿を3年がかりで書き上げました。内容は私の専門のエリクソンのアイデンティティ理論に関するものです。精神分析の創始者フロイトは人生の中で大切なことは「愛することと働くこと」であると述べました。フロイトの孫弟子であるエリクソンの理論にもこの事が色濃く反映されています。今回の人生は何のために生まれてきたかという「働くこと」の背景にあるアイデンティティと、人は人の中で生きて行くという「愛すること」について、約40年間の研究者生活の中で考え、講義で話してきたことをまとめたものです。アイデンティティとは何か、愛とは何か、アイデンティティと愛のはざまで悩む青年たちの「アイデンティティのための恋愛」、さらには、個人の中にある様々なアイデンティティを統合するより上位のアイデンティティとは何かなどについて書きました。同窓生の皆さんには、懐かしく読んでいただけるかと思います。
また、この上位のアイデンティティについては、肉体とは別の存在である魂がそれを担っているという仮説を持っています。長い歴史の中でオカルトと呼ばれてきた魂現象について、 1980年代頃から、科学的に検証が可能なさまざまな研究が示されるようになってきました。こうした内容についての紹介も行っています。さらには、量子論が近年注目を集めていますが、量子論が魂現象を説明する最も可能性のある科学であるという仮説も紹介しています。
秋学期からはこの内容に関する講義を初めて行う予定です。 11月頃には、福村出版から表題の書籍が出版される予定ですので、ご興味のある方はぜひ手に取ってください。
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