2025年6月1日、さいたま緑の博物館において、永石文明先生と市民モニタリングチームによる春の水生生物調査を実施しました。今回の調査場所は、これまでと異なり、ため池や水田のある八幡湿地でした。また、研究会のメンバーに加え、奇二正彦先生、みどりの森の博物館の職員の方とボランティアの方、狭山丘陵自然史研究会事務局長も加わり、賑やかな調査となりました。

 いつものように永石先生がたも網を使って土や草などの混じった水を、小川からすくいとってバットに入れ、その中から生物探しを始めます。永石先生はため池にも入ってくださり、今回は2か所の調査を行いました。水田のある広い湿地という好条件や、季節的に恵まれた時期でもあり、多くの生物を次から次へと発見できました。

 結果として20種類近くの生物を記録し、その内容から以下の事が読み取れます。

・オニヤンマのヤゴやオナシカワゲラという湧水系の生物数が多くみられる

・ミズムシなど「スカベンジャー」と呼ばれる生態系の維持や物質循環の上で重要な役割を担っている生物数が多い

・外来種の数が非常に少ない

 またこれによりこの場所の生態系が良好に保たれていると確認することができました。野鳥のさえずりの響く深い森、田植えも済みカエルの合唱が聞こえる水田、蓮の花の咲くため池、これら自然環境は多くの方たちの活動によって、環境が保たれていることを改めて感じると共に、一人一人の行動がネイチャーポジティブ達成へ貢献することができるということも実感できる調査となりました。

 また、自然に囲まれながら集中して生物探しに没頭する行動は、医学的観点からも非常に心身をリフレッシュさせる効果があると考えられます。さらに今回は、研究会以外の方たちとの新たなご縁も生まれました。そして埼玉県の絶滅危惧種に指定されているヒメザゼンソウを見ることもでき収穫の多い一日でした。

 今回で春夏秋冬4回の調査が終わりましたが、今後も年4回のペースで続けていく予定です。自然観察や環境保護に興味のある方、ぜひ調査を通して充実した1日を一緒に過ごしましょう。

市民モニタリングチーム プロボノ研究会 15期 長江朝子

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   代表者 ウイックスかおり  rsscsrprobonodsk@gmail.com

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RSSCシニアプロボノ研究会