りんごを漢字で表すと「林檎」。りんごの果実が甘いので、林に鳥がたくさん集まったところから林檎(りんご)と呼ばれるようになったという説がある。ほのかに甘い香りや味は鳥をよびよせるはずである。
昨年の9月に鳥ではないが、りんごに魅かれて弘前のアップルロードをドライブした(私は勿論助手席、ドライバーは夫)。津軽富士と呼ばれる岩木山の麓まで続くアップルロード沿いにはりんご畑が広がっていた。手が届きそうな近さにりんごが実っている様子や、農家の方が手入れをしている姿も見られ、これぞ全国第1位の収穫量を誇る青森県まで来たと思った。そして5~6年前から弘前にあるりんご園からりんごを取り寄せていたので、栽培されている様子や場所を知ることもできた。
その弘前のりんごを義母は好んで食べてくれている。特に一昨年の暮れに義父が他界してからは、食欲も落ちがちだったが、りんごはよく食べてくれた。春から夏の時期は「美味しいりんごはないのか?」と寂しそうにしていた。そこで、9月から2月までの月1回の「りんごの領布会」を申し込むことにした。義母には「秋になったら美味しいりんごがまた食べられますよ!」と話し、少しでも楽しみができればと思ったからである。
9月には早生種である「つがる」、10月には中生種の「早生ふじ」、11月は晩生種「王林」が届いた。「つがる」は甘くてジューシーな食感で、久しぶりに美味しいりんごを食べた気がした。「早生ふじ」は「ふじ」の突然変異なので「ふじ」によく似て甘かったが、少し食感は柔らかめであった。姪は今まで食べたりんごで「一番美味しい」と絶賛していた。「王林」はりんごの中の王様の代名詞からわかるように、甘みと香りが強かった。義姉と私は「王林」を今まで誤解していたようで、美味しさにビックリしてしまった。夫には「弘前のりんご園のりんごは、どの品種も美味しい」と言われ、妙に納得してしまった。12月になると、義母が待望していた「ふじ」が届いた。義母の嬉しそうな顔を見ていると、私たちまで嬉しくなってきた。次は何が届くのか楽しみになってきたようである。
「りんごを食べると胃がスカッとして気持ちが良い」と言いながら義母は食べている。確かにりんごは胃酸の調整はしてくれるが、胃薬と同等の効能があるのかは疑問が残っている。しかし気持ちが良い理由は、りんごにまつわる思い出が関係しているのではないかと思えてきた。義母が若い時は、幼い夫や義兄とりんご狩りに長野までよく出かけたこと。「ふじは美味しい」といつも義父と話しながら食べていたこと。それが懐かしさとともに亡くなった義父を思い起こして、たくさんの思い出が心も胃も心をスカッとさせてくれるからだと思った。たくさんの思い出のあるりんごを食べてもらうために、春になったら次の「りんご領布会」を申し込もう!(7期生 金子)
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