コロナ後の自分

6期生顧問 今田 悟史

 7月にRSSCホームページを見たという某大学院のMBAコースに在学中の社会人の方から、修士論文を書くためにインタビューをお願いしたいというメールを受け取った。テーマは「社会貢献活動におけるサポートセンターの役割」。2,3年前にも同じようなテーマでインタビューを受けたことがあり、RSSC(修了)生は貴重な研究対象であるようだ。

 今回は相手が女性だったので年甲斐もなく気合が入り、事前に関連の本を読んだり、RSSC関連で溜まったファイルの中から修了論文や各種レポート、上野千鶴子先生の授業「情報生産者になる」の中でまとめた「大学が知らないRSSC‘生’のホンネ」などを読み返してみたり、清里合宿の写真などを眺めているうちに、もう帰らないあの時は本当に充実した時間だったと改めて実感した。

 専攻科終了後はゼミの仲間を中心に、何をするのかも決まらないままRSACを立ち上げ、幸い間もなく豊島区内の3つの小学校で放課後の学習支援を行うようになった。他にも中野区で80歳、90歳のお年寄りを集めたサロンを運営していた。ところが、今年の2月末、残りあと1回くらいの活動を残して突然学校は休みに入った。RSSCからRSACへと切れ目なく続いた活動が、コロナで全てが休止状態になった。再開の兆しはあるが、すべてが以前と同じように回り始める訳にはいかないだろう。

 この間に地元で介護生活者や買い物難民救済の活動を始めた。地元回帰はコロナがもたらした偶然の出来事だったが、RSSC修了生の一つの姿としては必然であったとも言える。最近は日曜日を除いて朝から夕方までほぼ動きっ放しである。これまでも地元の活動を抑えてきた訳ではなかったが、一旦地元に足を突っ込んでみると、一つがすぐに二つ、三つと係わりが増えていった。そのくらい大勢の人が支援を必要としているのだろう。反面、自分は今、そういう人たちに生かされているのだとも感じられる。

 今の自分がアフターコロナの姿になるのか、今は偶然の係わりに自分の時間を預け、ただ動き回っているだけなのか。コロナが明けたらまたすんなり元の状態に戻れるだろうか。自分は戻れても周りは今まで通りではないかもしれないし、そのときひとの心はどうなっているのだろう。これまで自他ともに活動的に見えていた姿が、実は惰性で流されていただけではなかったのか。アフターコロナでは自分が試される。

次回は7期の木村さんにバトンをお渡しします。

 

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編集チーム 十一期生