オリンピック・パラリンピック・レガシー研究会では、有志13名で、2019年7月7日、ブラインドサッカーのクラブチーム日本一を決める 「第18回 アクサ ブレイブカップ ブラインドサッカー日本選手権FINALラウンド」の決勝戦を応援してきました。また、オリパラ研会員1名は、この大会のボランティア・スタッフとして参加、場内サポートを行ないました。

まだなかなか日本では馴染みの無いスポーツですが、ブラインドサッカー(略してブラサカと言います)は観るだけでもとても面白い競技です。
簡単にルールを説明すると、4人の目隠しをしたフィールド・プレイヤーと、晴眼者のゴールキーパー、それに、敵軍のゴールの裏にもう1人、「コーラー(日本ではガイドとも言います)」という晴眼者のコーチング・スタッフを立てて、1チーム6人ずつで戦います。コーラーは、声で指示を出すだけて、フィールドには入りません。
ボールには転がった時に音が出るように、鈴のような仕組みが施されています。

サイドラインには、フェンスを立てているので、アイスホッケーのようにフェンス際の肉弾戦が繰り広げられます。スローインはありません。
ゴールラインを割ったら、コーナーキックか、キーパーからのゴールスローです。オフサイド無し。20分ハーフの前後半戦となります。
日本は、まだ競技人口も少なく、ブラジル代表のような世界の強豪に勝てるような実力ではありませんが、2020東京大会に向けて少しずつ盛り上げていこうとしているところです。

ブラサカは、パラスポーツにしては、珍しく、商業的な成功も目指しています。元日本代表の北澤豪氏などが尽力して、試合のチケットを「有償で」売っていこう、という運動をしています。一般の入場料は1000円ですが、協賛企業のドネーションもあり、この日の決勝戦は、雨の中、満員でした。

決勝戦は、埼玉T.Wings対Freebird Mejirodaiの対戦。Mejirodaiが1点先制しましたが、そのあと、埼玉の誇る菊島宙(きくしまそら)という17歳の天才女子プレイヤーが、1試合7得点という、記録的な活躍で、7対1で圧倒勝利を納めました。
菊島選手は、ブラサカ界の澤穂希とも称される凄いプレイヤーです。この人を観るためなら、1000円は安いです。ゴールを決めるたびに、客席から「すご!」「見えてるみたい!」「シュート強烈!」の声が漏れます。
彼女は、今回の大会の6試合で計29得点を上げています。(左の写真の、右から2番目に映っている9番の選手が菊島選手です。クリックすると写真が拡大します。)
でも、惜しむらくは、パラリンピックのブラサカに、女子は出られないのです。女子ブラサカの競技人口が、少なくて、パラリンピック競技に入っていません。残念。
パラスポーツは、とにかく面白いので、私たちオリパラ研全員で応援し、できれば周りの人たちに応援をお勧めしていこうと思っています。

現在、ブラサカの世界一の選手は、ブラジル代表のリカルド・アウベス(リカルジーニョ)です。この人は、ブラサカのペレと呼ばれる天才プレイヤーで、2020東京大会で来日が予定されています。
いつの日か、日本代表が、リカルジーニョのブラジルに勝つ日を夢みて、応援を続けていきたいと思います。

オリンピック・パラリンピック・レガシー研究会
寺久保守男記