ドイツ在住満4年の次男家族と週に一回Skype(インターネットテレビ電話)で20分ほど話をする。二か月ほど前、孫君(4才半)が「幼稚園でこれ作った!」(右写真)と見せてくれた。「それはなに?」と聞くと「◎△※◆☆!」(タツノオトシゴのドイツ語か?)。なんだかドイツ語も出てくるようになったと思いmama(次男の嫁さん)に尋ねると、
「最近、ドイツ語会話力が日々付いてきたと思います。幼稚園で日本人は彼一人だから、分からないと先生や友達を捕まえて聞くようです。ドイツ語は、もう私より上かも…。でも日本語が心配なんです」と話してくれた。「エッ! 日本語!?」と思っていると、次のような話を聞かせてくれた。
少し前、両親とも日本人で、現地幼稚園に通っている5才の女の子に日本語補習教室で会った。パパはドイツ語ができて、ママはあまりできない。女の子はどんどんドイツ語が話せるようになり、パパとはドイツ語で会話をし、ママはパパの通訳がないと娘の長い話しが分からなくなった。家でママと居るときは、アレ、コレ、イヤ、キライ、チガウ、そして最後はグズればママは何でもやってくれるので日本語力が付かなかったようだ。日本語補習教室の先生が、女の子に「お名前は?」と聞くと下の名だけを答えた。「上のお名前は?、苗字は?」と先生が尋ねるときょとんとしていた。そして「◎◎ちゃん、お名前が言えるように勉強しょうね」となった。これは特殊なケースではないと先生は言われていた(ヘェ~、 そうなんだ)。
更に、日本人のママたちとお話ししていると「ここはドイツだから、先輩後輩なんか無しで気楽に話しましょう!」と言われる方がいる。確かにドイツ語には敬語は無いようだ。しかし、敬語や日本語の女性用語・男性用語、言い換え(「上の名前」と「苗字」など)は日本語の特徴で日本の今の文化なのだから、これをしっかり子供たちに伝えないと帰国して困るのは子供たちだ。ドイツにいるときから、年長者へは正しい敬語を使いたいと思う。これらのこともあり、現在、家の中ではドイツ語禁止、日本語オンリーです。日本からのSkypeは大歓迎なんですよ!(と、嬉しいお言葉)。
これを連休中に来た長男に話すと「そうだと思うよ。娘の外国語は、英語教育も変わるから余り心配していない。これからは、正しい日本語を話すことが大切じゃないのかなぁ」、「外国語の壁が低くなると、逆に根っことなる母国語がその子のアイデンティティや考える力の源だからね。幼児期の言葉は、親の責任だし」との意見だった。
令和は、日本の多言語化が進むと同時に 日本語能力が改めて重視される時代になるのかもしれない…と、独り考えている。(7期)杉村
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