久しぶりに映画を観てきた。「グレイテスト・ショーマン」。レ・ミゼラブルでその頭角を現したヒュー・ジャックマンの今話題のミュージカル映画である。感動した!泣けた!久々に心を揺さぶられる映画を見た!と、ちょっと興奮気味であるが、今日はその映画の話ではない。
もう一つ感動したことは、そのロードショー映画を調布で観た!ということ。

私はもうかれこれ30年近く調布界隈に住み着いているが、最新の映画は新宿や銀座まで改まったお出かけ気分、その後新百合ヶ丘にシネコンができたものの、京王線界隈の調布市民にとって小田急線はちょっと不便で、狛江に住んでいたころでさえ、新百合は多摩川を渡ってはるか彼方!と言った感覚。

ところが昨年ついに調布駅前にシネコンができたのである。京王線地下化に伴う駅前開発の一環として待望のロードショー映画館が、私にとって自転車の距離となったわけだ。映画好きの暇なシニアにとってこの上ないことではあるが、そもそも調布というのは実は映画とは切っても切れない縁のある土地であることを、皆さんはご存知だろうか?

調布市内には、日活調布撮影所、角川大映スタジオと、2ヶ所の大型撮影所があるほか、高津装飾美術株式会社、東映ラボ・テック株式会社、東京現像所など現在も数多くの映画・映像関連企業が集まっているが、そのきっかけとなったのは、昭和8年に「時代劇・現代劇どちらの撮影にもふさわしい自然環境やフィルムの現像に欠かせない良質な地下水があった」この調布に多摩川撮影所が作られたこと。その後、関東大震災で被災した向島撮影所に替わる撮影所用地を探していた日本活動写真株式会社がこの多摩川撮影所を買収し、昭和9年に日活多摩川撮影所が開設され、昭和17年(1942年)には、国策により日活の製作部門と新興キネマ、大都映画が合併して大日本映画製作株式会社(大映)となり、日活多摩川撮影所は大映撮影所と名前を変え、現在は角川大映スタジオとなっている。私も京王多摩川在住の時は、すぐ近くの角川スタジオの前に鎮座する2体の大魔神様に、良くご挨拶をしていたものである。

いっぽう戦時中、映画の配給を行っていた日本活動写真株式会社は、日活株式会社に社名を変更、映画製作の再開を決定し、調布町下布田(現染地2丁目)に新たに撮影所用地を取得、昭和29年3月に東洋一を誇る撮影所を完成させ、日活調布撮影所として現在に至っている。
昭和30年代の日本映画全盛期には、大映、日活に加えて独立プロダクション系の株式会社調布(中央)映画撮影所(現多摩川2丁目あたり)の3ヶ所で映画が作成されるという活況を呈し、調布は「東洋のハリウッド」と言われ、あこがれの銀幕スターたちが調布や布田駅から撮影所に向かって街頭を闊歩したらしい。そんな姿を想像しただけでもわくわくする。

ちなみに石原軍団の石原プロモーションは昭和48年5月から現在にいたるまで調布市染地に事務所をかまえている。ミーハーだった私は石原プロダクションでアルバイトをしよう!あわよくば芸能人に会えるかも!とビルの3階にあるこの事務所を訪れて、丁重に断られたような記憶もある。

さて、せっかくできた映画館が業績不振で撤退!なんてことにならないように、私としては足しげく映画鑑賞を楽しむことにしたのだが(しかもこの映画館55歳以上は一律1,100円なのである!) 穏やかなこれからの季節、ちょっと足を延ばして飛田給駅構内の「日活スターの手形」や懐かしの映画ポスターなどを楽しみ、京王線を戻って京王多摩川ではSHOP MAJIN (土日祝は休み)に立ち寄り、大魔神とガメラの前で記念撮影。

更には多摩川5丁目の児童公園にある「映画俳優の碑」「調布映画発祥の碑」をチェックして調布に戻り、ゲゲゲの鬼太郎通りでモニュメントを探し、蕎麦でも食べるというのはどうでしょう。その後は勿論映画館に寄って、お好きな映画をどうぞ。(7期生 梅原)

 

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