ワンゲル同好会は、これぞ天佑の名に相応しい、好天の下、我等7人の勇士は横浜「関内駅」に集い、市民の憩いの場、エトランゼに人気のスポット「山下公園」に向かう。国際大桟橋では、次の寄港地(釜山港)に向かうべく接岸中の豪華客船ダイヤモンドプリンセス号(12万トン級)の巨大な船体に驚嘆する。同船は三菱重工業長崎造船所で建造。全長290㍍ 全幅42㍍ (洋上ホテルの感アリ!)環境規制の厳しいアラスカ水域での運航に配慮した排水・排気対策のために最新鋭の排水処理システムを完備。ご存知の向きもあるかと思いますが、2002年10月、艤装工事中に火災事故を起こし、7ヶ月遅れで2004年2月に納入にこぎつける。


 

 

 

 

臨港線プロムナードを渡りながら、次なるスポット、係留中の貨客船氷川丸に目を転じ、戦前の栄光、戦中、戦後の最も困難な時期を数々のドラマを乗せて日本の復興の一翼を担った老雄に思いを致し最敬礼。赤レンガ倉庫を横目に話題の海上保安資料館「工作船資料館」に急ぐ。館内には平成13年12月22日の事件の全貌がリアルに再現されていた。自爆、沈没した同船を水深90㍍の海底から引き揚げた船体ほか、ロケットランチャー、自動小銃、無反動砲など1,000点余の証拠物を展示中。船尾、船首部分の弾痕の跡に実戦の激しさを知る。風雲急を告げる日本近海の守りのため、不眠不休で任務を果たす防人に感謝の念を強める。船シリーズの最後は汽車道脇の日本丸。海の男の練習船として幹部候補生らが激しい訓練を日夜繰り返し、デッキ磨き、帆柱に登り展帆、畳帆に汗を流した姿に思いを寄せる。

 

 

 

 

 

後半は桜木町駅から電車に乗り、鶴見線に乗り換え、最初の「国道駅」に移動。同駅の風情に“戦後がまだ残っている!時間が止まっている”に唖然とする。旧東海道を南進、「生麦事件」発生現場を経由し、事件の語り部、浅海武夫氏が私費を投じ、自宅の一部を開放して、長い蒐集期間を経て海外からも集めた資料を保管展示する「生麦事件参考館」を訪問する。八十七歳のご高齢をモノともせず今尚、事件の真相を究明する氏に改めて畏敬の念を一同抱く。ちょっぴりレトロでお洒落な街、ヨコハマ。“みなとみらい21”のフレーズは躍進著しい国際都市横浜に相応しい。来春のお彼岸の頃、山手の横浜外人墓地に、生麦事件で不慮の死を遂げたリチャードソン,僚友のクラーク、マーシャルの三人を訪ねて香華を捧げたい。異国で大事件に巻き込まれ、故郷の空を見ることも出来ずに無念の最後を遂げた彼等に同情の念を禁じ得ない。古きを知り新しきを見て充実の一日を無事に終え、互いに次回の再会を誓い合う。       (文 小泉、写真 藤田、福田)