思い思いに願掛けをして2017年がスタートし、また一年飛んだり跳ねたり転んだり地を這ったり、どんな出来事が待ち受けているのか。1月はやはり良いにつけ悪いにつけ、わくわくとした気持ちにかられるのが常です。と同時に、まだ充分時間があるという油断からか、いまだに日々日常に甘えている自分がいることも否めない事実です。鶏(酉)は神鶏で夜明けを告げる「明るい年回りへの準備の年」。という事で私もさっそく十二支について、インターネットをあちこち渡り歩き知識を寄せ集めて、にわか学者をきどってみました。
そもそも干支というのは、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせた60を周期とする、時間や暦の単位を表すためのものだったそうです。十干とは「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」、十二支とは「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」で、今年2017年は「丁(ひのと)」の「酉(とり)」で「丁酉(ひのととり)」です。丙午(ひのえうま)が60年に一回訪れるのも、この組み合わせであることが分れば納得ですね。ちなみに前回の丙午は1966年、次の丙午は2026年。日本の出生率が丙午の年だけV字落ち込みしているのを、特殊出生率のグラフなんかで良く目にしています。それでなくても少子化に悩む日本としては、2026年の丙午の年も同じようにV字落ち込みをすると仮定すると、人口構造に大変な影響が出ないとも限らない!ちなみに私は2026年で71才か・・・。まあ丙午はさておいて、前投稿の「空を飛ぶ」から続き、今年も酉年でさらに飛翔・飛躍の年へ!と行きたいところでしたが、新年会のとある酒盛りの最中に「ニワトリは飛ばないよ!」という現実を突きつけられて、愕然としてしまいました。そうか、ニワトリは空を飛べないのか・・・・。
新年会の酒盛りにも飽きて、“飛べないニワトリ”のショックが尾を引く中、気分転換に新宿あたりで映画でも見ようとフラッとたどり着いたのが、角川シネマ。「カドカワ」という響きは私にとっては何処か郷愁の想いを呼び起こします。角川文庫の「横溝正史・森村誠一・大藪春彦・半村良・赤川次郎」、そして映画のキャッチフレーズやセリフが次から次へと脳裏をかすめていくのです。「狼は生きろ、豚は死ね。」「カイカン。」なんだかかっこいい時代だったなあ~!と、足の向くままに角川シネマの中に吸い込まれて観たのが、なんとチェット・ベーカーの映画「ブルーに生まれついて」でした。
1950年代半ば、ニューヨークのジャズと言えば黒人!マイルス・デイヴィスやディジー・ガレスピーが人気を博していたこの時代、あこがれのニューヨーク名門クラブ「バードランド」。白人のチェットはそんな重圧の中で必死にもがき苦しんだけれど、やっぱり今ひとつ羽ばたききれずに、薬におぼれた生活に逃避し、ジャンカーjunkerとなってしまう、というあらすじです。ヨーロッパに拠点を移してからはあまり目立った活動もなく、その最期は1988年5月13日、オランダアムステルダムのホテルの窓から転落死。どうもがいてもジャズの世界で飛びきれなかったトランぺッターが、最後に窓から飛び出して大空を飛んでみたかったのかもしれないなぁ・・・。
「ブルーに生まれついて」なんて、正月らしくなくてどことなく湿っぽいイメージです。それに私はチェット・ベーカーの「My Funny Valentine」(←click!)をその昔、何度も何度も聞きながら、たくさんお酒を飲んだり涙を流したりしたもんだ!! (少し脚色をしていますが・・) という事に気が付いてしまったのです。なんだか意味のないブルーがこんな風に押し寄せてくるなんて!やれやれ、「明るい年回りへの準備の年」のはずが、「ニワトリは飛ばない」症候群にはまりそう。正月早々なんてことでしょう!(7期生:山縣)
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