RSSCプラチナ社会創造研究会 活動報告書「秩父市・豊島区共生・交流プロジェクト」

 『秩父市と豊島区の地方居住を考えるワークショップ』第1回 基調講演会 ピンチをチャンスに変える生涯活躍のまち ~いつまでも輝けるひと~

 

日時: 2016年7月23日(土)14:00~16:00
講師: 松田智生氏(三菱総合研究所主席研究員 チーフプロデューサー)
会場: 豊島区役所 本庁舎5階507~510会議室
主催: 豊島区、秩父市   協力: 立教大学、大正大学
開会あいさつ 秩父市 久喜邦康市長
閉会あいさつ 豊島区 水島正彦副区長

 

s_IMG_0907『地方居住を考えるワークショップ』第1回の基調講演会は、RSSCプラチナ社会創造研究会ではお馴染みの、三菱総研松田智生氏によるものであった。参加者は80名を超えていたと思われる。今回も軽妙な松田氏の話術に引き込まれるように、「生涯活躍のまち」(日本版CCRC)の現状について、参加者は興味深く聞き入っていた。

元気の出ない四文字熟語

世の中には元気の出ない四文字熟語(地方消滅、介護難民、老後破産、漂流老人など)が氾濫するようになったが、これからのシニアは社会のコストではなく、担い手である。健康に暮らし、介護されないことで、若者に支えられるのではなく、逆に若者の転出を抑制することに繋がるなど、アクティブシニアの存在が、箱モノに頼らない「日本版CCRC」の実現に不可欠であるとのこと。

☞ミドルアッパー層だけが対象なのか?

とはいえ、質疑応答では、「アクティブシニアになれない、体力的にも弱っている人はどうすればいいのか?」、「日本版CCRCのメインターゲットは、結局金銭的に恵まれている人なのではないか?」などの切り込みに、松田氏が戸惑っておられたようにも思う。

大学連携CCRC シェア金沢

個人的には、今回も紹介された「シェア金沢」のような取組に、大変興味がある。シニアが住まうだけではなく、近隣大学の学生の住居、福祉・児童入所施設が共存している。「日本版CCRC」の要素を持つ先進事例として紹介されることが多い。とはいえこの施設は「CCRC」を謳っていない。コンセプトは、「人が直につながり、支え合い、共に暮らす街」、そこには「シニア」の言葉もない。今後の「日本版CCRC」の、そのタイトルや箱モノイメージから脱却するヒントが、そこにはあるのではないかと改めて思った。

 

講師の松田先生、主催者の皆さま、スタッフの皆さま、貴重な機会をどうもありがとうございました。

(8期生 青木美恵 記)