コミュニティカフェ “ほっとサロン@むさし野”の立上げ
川越市の育児ママの応援 ~育児サロン「ほっとサロン」~ 大河内千鶴子

Ⅰ.活動開始の経緯
1.助産師として自宅のある川越市の産婦人科病院に永年勤務し、50代も後半になると老後の生活設計や自分のライフワークについてハッキリとした見通しも無く過ぎていました。
2.立教セカンドステージ大学の新聞広告で「学び直しと再チャレンジ」このキャッチフレーズに妙に心を動かされ、「もう一度勉強をし直したい、何かチャレンジしてみたい」そんな希望が湧いてきました。
3.RSSCの学びでは社会問題や課題、そして何より素晴らしい仲間や先生と出会えました。授業を通して社会や地域課題の問題意識が生まれ、専攻科では仲間と具体的な形に作り上げることが出来ました。RSSCは本当に多彩でユニークな人材の宝庫と思っています。

Ⅱ.コミュニティカフェの立ち上げ
1.地域の少子高齢社会の課題解決と30数年培った助産師としてのキャリアを活かす活動の場として考え、第2の人生を歩むことを選択しました。image1
2.よく男性の定年退職後の地域デビューの難しさが叫ばれていますが、女性も同様でフルタイムで仕事を続けて来ていると定年後の地域デビューはやはり難しいと感じています。
3.カフェ立ち上げは自分の定年後の居場所創りでもあった訳です。

Ⅲ.サロンの具体的活動
1.RSSC卒業と同時に2014年春、自宅脇にある所有の空き家を使い、隣りの奥さんと大学のゼミ仲間の協力のもと、コミュニテイカフェ“ほっとサロン@むさし野”を開設しました。
2.具体的には、週1回毎週木曜日に育児サロン“ほっとサロン”を10時から14時まで、金土曜日はどなたでも参加できる地域カフェ“むさし野カフェ”を8時から12時までそれぞれ4時間オープンしています。
3.育児サロンの対象はマタニティママと3歳未満のお子さまと育ママになります。

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Ⅳ.プログラム
1.特に決まったプログラムがある訳ではなく、入退室は自由です。
2.ランチの持ち込みは自由で離乳期の方々は各自お子さま用とママ用のお弁当を持参。お子さま同士ママ同士でランチを召し上がります。
3.月に一度、読み聞かせと育児相談に知り合いの保育士さんのボランティア協力を頂いています。
ⅴ.月別平均利用者数推移 (2014年3月~)

s_月平均利用者数推移

Ⅵ.活動の成果と周囲の反応
1.小さなお子さま連れで安心してお出かけ出来る場はなかなか無く、サロンはそんな母児にとってほっとする場。
2.ママ同士のお茶やランチは、日中お子さまと二人きりで会話が無いママにとって、何気ない大人同士の会話が刺激と元気を。
3.ご利用中のママがお茶を飲みながら、ため息のように「あぁ楽しい…!」と、つぶやかれ「実家から帰って以来、初めて座ってゆっくりご飯を食べた…」と話されたときには、胸が苦しくなるような想いと共に本当に良かったと思う。
4.育児のなかで離乳食は新米ママにとっては難題で、先輩ママの持ち込みランチが大いに参考になり、失敗談や対処方法はママ同士の学び合う場になっています。
5.昨年の1月には、大学からのご紹介があり読売新聞から取材を受け全国紙でご紹介いただきました。掲載当日にお二人の女性が訪ねて来られ反響の大きさに驚きました。
6.妊娠期からサロンご利用のママで、1年の育休後仕事に復帰された40代のママから「私も定年後はこんなサロンをやりたい!」と言っていただき人生の先輩として嬉しい。

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Ⅶ.今後の活動の展開
1.出産・育児のためにキャリアを中断して悶々としているママは大勢います。
2.利用ママの中にアメリカの大学卒業後、英語教室の講師を出産で退職された方があり、その方からのお申し出でこの2月からサロンの空き時間を利用して幼児英語サロンが始まりました。
3.このように、フル勤務は難しいけれど、少しずつでもキャリアを磨けたらという育ママの復帰応援が出来たらと願っています。
Ⅷ.今後の課題
1.育児支援は生まれてからではなく、妊娠期からの働きかけで育児がスムーズにスタートすると考えます。
2.当サロンでも偶然妊娠期にお出かけいただいたママは産後2か月からのご利用で、40代の高齢にもかかわらずとてもスムーズな育児になった経緯があります。
3.大抵のママは早くても産後5~6か月を過ぎ、1歳過ぎてご利用のママからは「もっと早くこんなところを知りたかった…」と言われました。

Ⅸ.行政・企業・住民等への要望
1.孤独でストレスの多い育児を楽しい育児にするには周囲の多くの人々の関わりが不可欠です。近隣社会全体で育児応援する育児環境の構築がとても大切と思われます。
2.元気なシニアは大勢いらっしゃいます。私の経験ではシニアの力を引き出すには教育的な刺激と仲間が不可欠と考えます。
3.この人材育成に官民学の協力と連携があれば必ず成果は出てくるのではないでしょうか。

アクティブシニアの生き方「ホッとサロンの立ち上げ」

WAC初稿(1)  ☜ ・WAC会員誌にほっとサロン@むさし野”が紹介されました。

大河内千鶴子さん運営する育児サロン「ほっとサロン」はこちらです。  s_雪の日のゼミ全員集合

 ☞ http://hotsalonmusashino.blog.fc2.com

(真ん中の赤いジャンパーが大河内さんです。)