RSSCでの二年間の学び直しを終え、新たな学びと活動を模索している最中、杉村氏から投稿サークル立ち上げの誘いがあった。よくよくその趣旨も理解せぬまま、ちょっとした気の迷いから、即決でOKをしてしまった。石巻氏との酒の席での戯言が会結成の発端らしいが(いやいや本人たちにはもっと壮大な思惑があったと思う)、〈KISS〉という会の名称が、私の判断力を鈍らせてしまったのだ。

絵の題名は、やっぱり「接吻」でしょう。。

絵の題名は、やっぱり「接吻」でしょう。。

メンバー候補の頭文字をつなぎ合わせただけの〈KISS〉という言葉に、なぜかクリムトの描いた一枚の絵が重なってしまった。黄金の布に包まれた男と女。女は男に身を任せ、恍惚とした表情で頬に男の接吻を受けている。男の顔の表情は見えない。ただ、力強く、あるいは、やさしく女の顎を引き寄せ、唇で頬に触れている。春というなんともいえないざわめき感がクリムトの絵をひきよせたのかもしれない。究極のエロスを表現しているといわれるクリムトの絵の題名は『Kiss』であるが、日本においては『接吻』である。≪接吻≫という言葉は、唇を他人の唇・頬・手などに触れて愛情や尊敬や挨拶を示すことで、幕末にKissの訳語として造語されたという(日本大百科全書)

「Kiss」と「接吻」は同じ行為を表している言葉でありながら、微妙に受ける感じが違う。接吻(せっぷん)は促音が入ることで、「Kiss」や「口づけ」に比べて、重く、濃厚な印象を持つのは私だけ?「キッス」だったら少し「接吻」に近いニュアンス・・・?
しかも、日本には、他人の肌に自分の唇を触れるという挨拶や尊敬を表すという習慣はなかったから、≪接吻≫というとなにか秘密めいた、怪しげな世界を思い浮かべてしまう。そもそも、明治以前の日本においては愛の表現として≪口吸い≫という言葉が一般的であった。なんとも、直接的であっけらかんとしている。

という具合に、私が会の名前からあらぬ方向に興味・関心を膨らませている頃、徐々に会の全貌が明らかになってきて、私は慌ててしまった。えぇ!RSSCホームページへの投稿サークル?しまった!全くの勘違い。内々の人を対象に個人のつぶやきを聞いてもらおう、くらいのつもりだったのだが、不特定多数の方が目にするということを考えたら、ちょっと腰が引けてしまった。しかし、今さら、「Kiss」といった口で、「やめます」ということもできず、覚悟を決め今日に至っている。勘違いというのも新たな行動を起こすキッカケになるという意味では、まんざら捨てたものでもないかもしれない。勘違いから始まる恋もあるし・・・。

私の投稿サークルへのスタンスは、やはり、≪つぶやき+ツッコミ≫である。毎日の生活の中で見聞きしたことや自分の身の回りの小さい出来事を通して、自分が感じたこと、考えたこと、妄想したことなどを文章にして書き溜め、つぶやきとして投稿したものに軽いツッコミを入れてもらえたら最高!「Kiss」=唇で人に接するように、つぶやくことを通して多くの人と接することができたら、という思いで投稿することにした。以上、投稿サークル「Kiss」の私のファーストキス宣言。(7期生 齊藤)

kiss【Kissの会 連絡先】       ☆☆☆☆  kiss7th.rssc@gmail.com
【メンバー投稿履歴/Kissの会 webサイト】 http://kiss7th.jimdo.com/