対法政1回戦

4/16:対法政1回戦

東京六大学野球2016春季リーグ戦が始まった。RSSC入学以来、天気のいい週末は母校:立教大学の応援に神宮球場へ通っている。スタンドは現役学生よりも圧倒的にシニアの姿が目立つ。彼らも皆、勝敗もさることながら、過ぎ去った青春に思いを馳せ、ひと時の悦楽に浸っているのであろう。
私は試合前の練習に間に合うように球場に入る。ノックに素早く反応し、野球独特の声を掛け合いながらキビキビと動く選手たち。野球少年だった頃を思い出す。打撃は得意だったが、守備がイマイチ、特にスローイングに難があった。強肩といわれた幼なじみとは明らかに差があり、中学では野球部を選ばず、剣道部に入部した。

栃木県小山市、少年野球の盛んな土地柄だった。市街地の西側を流れる思川沿いに野球場があり、川遊びを含めて幼い頃からこの界隈によく出没していた。時はまさに高度成長期、次第に汚れていく川を眺めながら多感な10代を過ごした。今では河川敷も整備され、土手には桜並木が続いている。トンボが群れ飛ぶ湿地帯は消えたが、川の流れは大きく変わらず、水質は改善されアユも戻ってきているようだ。懐かしい風景が美しく保たれているのは心地よい。

遅咲きの桜と思川

遅咲きの桜と思川

22歳の春、社会人としてこの地を離れ、大阪、仙台、浦和と住居を移していくことになった。振り返ってみれば、私のサラリーマン人生はおおむね順調だった。家族や職場の仲間にも恵まれ、仕事にも大きな不満を感じることもなく、それなりに充実感も味わえた。先行して逃げ切るようなタイプではなく、さりとて後方から一気に抜き去るだけの差し脚もない。馬群にまみれ、もまれながらもチャンスがあれば前に出る、そんな走り方をしてきたように思える。それが私の持ち味なのだ。

しかしながら、野球同様ピンチは必ずやってくる。9回を投げ切るのはそう簡単ではないようだ。還暦を前に妻を看取り、私はRSSCへ逃げ込むことに決めた。「学びの情熱」があったわけではなく、だた、居場所を求めただけだった。久方ぶりのキャンパスは私に様々な刺激と活力を与えてくれた。その間に一人息子も結婚し初孫も誕生した。「我が人生、まんざら捨てたものでもない」と思えてきた。

母校の開幕戦はこのところ相性のよかった法政に1勝2敗で勝ち点を落とし、エース澤田の力投も報われなかった。気持ちを切り替えよう。次は早稲田、私のセカンドステージもいよいよ開幕だ。シニアの基本は「健康管理」。まずは守備を固めて打席に立とう。相手投手と向き合ったら、中途半端はやめて腰の入ったスイングを心がけよう。この2年間で狙い球も絞れてきたはずだ。私の“2016”も面白くなりそうだ。。(Kissの会 第2回投稿/7期生石巻)

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