RSSC同窓会に寄せて

竹中千春

 「国際政治とグローバル市民社会の構想」という科目を担当しています。「グローバリゼーション時代の世界は厳しい動揺に見舞われています。貧富の格差を縮小し、武力紛争を止め、すべての人々にとって持続可能な地球と人間社会をつくれるか。市民は力を発揮できるのか。一緒に考えていきましょう」という目標を掲げています。これまで十代や二十代の若い方々を前に授業をしてきましたが、ここでは大人であり社会人であり、なかには自分より長い人生を歩んできた方々を前に講義を行います。週1コマで1学期、コロナ感染予防対策いらい主にオンラインの授業です。短い時間に数十人の方々とともに世界や日本の現状を捉えて理解できるのか。講師の私のほうが焦って教室の機器操作にとまどったり、授業支援サイトの設定に失敗したり、冷や汗の連続です。けれども履修生の方々は辛抱強く、助言や手助けを行い、活発な討論を進め、懇親会で仲間を広げる工夫もしてくださいます。事務室やメディアセンターの方々も熱心に支援してくださいます。そもそも、誠実な話し合いと信頼できる仲間づくりこそが市民社会の基盤であり、平和や発展を促す力となりますね。まさに、今ここから、です。コメントシートや期末レポートからも多くの学びをいただきます。ありがとうございます。「教育」というと「子どもを大人が育てること」と考えがちですが、大人が学びながら自らを変えていく、もっと自由に自信をもって語り活動できる自分を創造していく――そういう「教育」も、成熟した市民社会では強く求められるのではないでしょうか。100歳を超えても成長する市民の時代! ともにチャレンジしましょう!

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編集チーム 十六期生