名画(美術)鑑賞友の会『ロートレック展』鑑賞記

日 時:2017年11月17日(金) 15:30~17:00

場 所:三菱―号館美術館    参加者:6名

 晩秋が色濃く漂う11月17日 ロートレック展に出かけた。今年最後の鑑賞展であつたが参加者は6名と少なく、ポスター・版画が中心の作品や鑑賞時間、年末の慌ただしさが影響したと思われる。ただグループワークの視点で言えば、6名は活動するにふさわしい理想的な数と言われている。 三菱―号館美術館の建物と中庭は何度観ても素敵で、近くの東京駅と共に紅葉の季節に美しく映え、溶け込んでいた。

トゥールーズ=ロートレック
 事前学習で詳しい生涯、作品紹介があった。ロートレックはポスター・版画で名声を得ながらも娼婦の館に入り浸り、36歳の若さで亡くなった悲哀の画家である。
ロートレックが活動した19世紀末パリ、それまで情報伝達や複製の手段でしかなかった版画は、新たな芸術表現を切り拓く重要なメディアとなった。ロートレックや世紀末の前衛芸術家たちによって、版画は絵画と同じく芸術の域まで高められ、それらを収集する愛好家も出現した。一方、大衆文化とともに発展したポスターは複製イメージがパリに溢れ、人々の暮らしにまで浸透して時代を映すメディアであったと言える。

版画が何故収集されたのか
 館内には約140点ものポスター・版画が展示さていて、さながらパリの街角を思わせた。裕福な紳士の間で版画は盛んに収集された。作品の傍の解説文に「収集家のロジエ・マルクスは疲れた足取りで帰宅した時に、必ず行うことがあった。お気に入りの版画、一枚一枚を取り出して眺めていると心の悩みはいつしか消え、この世のウサも忘れてしまう」 この文に触れた時「?」と感じた。版画にはそれほどの効果があるものなのか、そう思いながら展示されている浮世絵の作品を数点観た時の新鮮さは、疑問を解くヒントになった。

感 想
 「ポスターが多く貼ってありパリに来たような雰囲気」「パリに行った時、車道と歩道
の境にポスターを貼る掲示版のようなものがあった。ポスターは人々に受け入れられていた」「モンマルトルのムーラン・ト・ラ・ギャレットに行ったことがある」「ポスターより絵画の方が好き」「ポスターならミユシャの方がデッサン力を感じる」等々。
懇親会のちらし寿司とビールがいつになく美味しかった。    (渡邉 記)

この記事の投稿者

八期生編集チーム