平成28年の日本人の平均寿命は男性が80.98歳(前年80.75歳)、女性が87.14歳(同86.99歳)で、ともに過去最高を更新した。過去最高の更新は男性が5年連続、女性が4年連続である。「三大死因」と呼ばれる、ガン、心疾患、脳血管疾患に加え、肺炎などでなくなる人が減少傾向にあるためで、厚労省は「医療技術の進歩や健康志向の高まりで寿命はまだ伸びる余地がある」と分析している。主な国・地域の平均寿命を見ると、男女とも1位は香港、2位は日本である。男性は前年2位だったアイスランド、スイスを抜いて4位から2位にあがり、女性は2位を維持した。
WHO(世界保険機構)によれば、日本には驚くべきことに現在100歳以上の人(英語でセンテナリアンという)は、既に6万1000人以上いる。これからは、100歳を超えて生きることは、珍しいことではなくなる時代がきそうである。
さて、我が身に振り返って考えてみると、現在の年齢から、もし仮に100歳まで生きているとしたら、まだかなりの時間がある。また、生活や経済面を考えても、はたして、やっていけるのかどうか心配になってくる。また、日本にセンテナリアンが増えていけば、日本の経済社会、特に年金・医療など社会保障制度が維持できるのかなどなど、今より更に大な問題になりそうである。余計な心配事が増えてくるのも問題だ。
国連の統計によれば、2050年までに日本のセンテナリアンは100万人を超えるであろうと予測されている。現在1歳の子供は、100年人生を全うすることになる。
最近,世界で活躍するビジネス思想家たちが示す、全く新しいビジョンが発表された。
「LIFE SHIFT」ライフシフトという本である。著者はロンドン・ビジネススクールの教授2人である。「100年時代の人生戦略」の副題がついている。今年のダボス会議で作者が登場しパネルディスカッションをしていた。本の帯には、こんな生き方をしてはいけないと次のように書いてある。「卒業後すぐに就職し、ずっと同じ会社で働こうとすること」「永続する企業を目標に起業し、すべてを仕事に捧げる」「休日をレクレーション(娯楽)にあてる」一般的な日本人の理想とされてきた安定的な生き方の否定である。人生を100年生きていくためには、新しいライフスタイルが必要なのは当然ともいえる。高学歴で卒業し、一流企業に就職、そして定年(60~65)まで勤めあげ、その後は年金生活で人生を全うする、という現在の生活モデルでは人生100年時代を生き抜いてはいけないのである。自分がセンテナリアンになれるかどうか神のみぞ知るのであるが、もしかしてと考えると、とても気になる内容の本だ。(7期生 木村)
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