目黒川の桜

 仲間が集まってお酒が入ってワイワイと気分が盛り上がった時様々なイベントが決まることが多い。今年も旧正月頃毎年行う遅めの新年会で
「今年も花見のこと考える時期だね、今年も牛久シャトーにする」「リタイヤするとなかなか都心にも行かないので都心での花見はどう」 「そうだね、じゃ、今年は人気の目黒川の花見とかどう」 「いいね、昼間宴会できる店もあるので今年は目黒川にするか」 と4月初旬のウイークデーにシニア10名が集まった。中には十年ぶりに顔合わせる仲間もいて再会を喜び、目黒雅叙園での休憩を入れて中目黒までの川沿いを歩いた。桜はまだ3分咲きだったが、まだ記憶に新しい大相撲春場所優勝を果たした稀勢の里の出身地牛久のメンバーは「優勝祝」も兼ねての大いに盛り上がった昼宴会だった。

ハナミズキ

 桜狂騒時期が終わる頃街路樹が薄紅色や白い花また紅色に変わるのに気がつく。今から約100年前の1915年に桜を贈った日本への返礼としてアメリカから日本に来たという日米友好の木「ハナミズキ」だ。そのハナミズキを見るたびに思い出すことがある。20年くらい前の事だった。妻の友人に「この木を見てもハナミズキという名前がなかなか出てこないんだよ」と話したら、海外在住や添乗員経験のあるその友人は「鼻水黄色(ハナミズキイロ)と覚えておけば忘れないよ」と言う。それからハナミズキの季節が来るたびにそのことを思い出す。そして「ハナミズキ」を忘れることがない。もちろん日本人なら「花見好き(ハナミズキ)」でも忘れることはないと思うが・・。またハナミズキというと一青窈のニューヨークで2001年に起きた9・11テロへの思いを詩にして歌にしたという名曲があるが、あれからもう15年以上経つんだな。

筍(孟宗竹)

 ハナミズキの季節を同じくして瑞々しい新緑の季節に入る。広葉樹中でも落葉樹が一斉に新芽を噴くと景色も一変する理由はわからないが、一年の中でも最も元気をもらうのである。筍もその新芽の一つだ。竹の生垣で育った私には竹への愛着があり郷愁を覚える。子供のころ親に「味噌汁に入れる筍をとってきて」と頼まれ採りたての筍を具にした味噌汁を思い出す。その筍は「大名たけのこ(でめたけ)」で、あくが少なくそのまま食べたり焼いたりしても美味しいものであった。
 今年も仲間で筍会を開催した。「筍の頭がこちらに出ているよ」「どうすれば上手に掘れるかな」「これは刺身でも食べられるんじゃない」 など童心に返り無心で収穫に汗をかく。そしてビールを飲んで語る。こちらは孟宗竹で不作の年だったが、筍が主役の春のひと時を満喫した。
新緑に「我々は新しい息吹でこれから逞しく成長していく。君たち(人間)も頑張れ」と言われているようだ。来年も桜を楽しみハナミズキを見て新緑の季節を仲間と過ごす、そんな時間が持てたらいいなと思う。そのためには新緑にパワーもらい一日一日を暮らして行こう。尚、ハナミズキの花言葉は『私の想いを受けてください』である。(7期生 榎本)

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